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猫は静かに姿を消した  作者: 神梛 那央
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黒猫の矛盾





はぁ…はぁ…はぁ…



な…んで、あの人が…?



プライベートだから男装はしていない。



あの頃より髪は短くはなったけど、あの人は誤魔化せない。



あの人は追ってこない。

わかってるのに逃げたのは、あの場所に居られないから。

あの人に会うことですら衝撃的で辛いのに、再会場所が出会った場所って…辛すぎる。



「って、相変わらず逃げてばかりだな、私」



誰も居ないのにそっと呟いた。



「逃げるって誰から?」



少し笑いの含んだ声が聞こえた。



後ろを振り返れば、銀髪の男が立っていた。


男の後ろにハチや(あきら)達もいる。










「会いたかったよ、ナオ」



この声。



「わたしは会いたくなかった」



この匂い。



「うん」



男は抱きしめてきた。



「わたしは会いたく…なかった」



このぬくもり。



「わかってる…」



「わたしは…」



「大丈夫。これは俺が会いたくて会った。ナオは偶然、俺に会った。俺に振り回されたからナオは悪くない」



この優しさ。





やめて。やめてよ。

思い出しちゃうから。



ぎゅっと私から抱きしめ返した。



幸せで、辛くて、絶望的だったあの頃を思い出しちゃうから。



「ばか」



言葉や気持ちと行動が矛盾していても、男は優しく抱きしめてくれていた。




その後ろで、ハチと青空(そら)と雪以外が驚いて固まっていたとは知らずに…。





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