黒猫「おすわり」
「ナオ!ナオ…ナオ、ナオ、ナオ、ナオ!!」
うるせぇワンコだな…。
「ナオって誰ですか?」
とりあえずトボけてみる。
「いや、もう遅いから!」
晶に突っ込まれた。
「ナオ…ごめ…俺、ナオ殴っちゃった…ごめん…」
「ハチ…怖かったよ?いつものハチじゃないみたいで怖かった」
「ん…ごめん」
「すっごい怖かった。ハチに殴られたの初めてだったから…頬も痛かった。でもそれ以上に胸が痛かったよ?」
「ん…ごめん。ナオ…俺殴って…」
私はハチの頬に手を添えた。
覚悟を決めたのか強く目を瞑るハチ。
ぺちっ
と優しい音がした。
「……え…?」
「殴れないよ。ハチは大切だから…見つけてくれてありがと」
「ナオ!だいす…「おすわり!」」
抱きついてきそうになったハチを抑えつけた。
「「「おおー!!!」」」
奈美、晶、瑠伊は口を揃えて驚いていた。
ハルカは飼い主を取られた犬みたいな反応をしてる。
犬ばっかだな。
このときハチ達とは関わらないでいたほうがよかったんだ…
見つけてなんて言わなきゃよかったんだ。
意地でも誤魔化して隠れればよかったんだ。
『ナオ!また会いにきてもいい?』
『だめ!』
『なんで!?』
『ハチはここの生徒じゃないでしょ?』
『じゃあここに入る!!』
『年齢を考えろ!!』
『見た目高校生だもん』
『(中身もな…)実際は?』
『19さい…』
『土日は会いに行くから』
とは言ったものの…
また関わっちゃったよ…
どこか期待してたんだ。
関わらないように、とか言って
ハチなら私を見つけてくれるって。
まぁでももう関わっちゃった以上
守るしかない…
もう失いたくない




