32/82
寂しいと死んじゃうウサギ
ーsora sideー
予鈴が鳴ったからナオは理事長室を出て行った。
「ナオも居ればいいのに…」
僕はボソッと呟いた。
「んなわけにはいかないだろ。あいつは一般生徒だし」
「じゃあ、ナオを生徒会に就任させる」
「ばか。外部生が生徒会はいれるか」
「僕らの権限で…」
雪は小さくため息をついて真剣な顔で言ってきた。
「ただでさえ目立つ外部生が、さらに目立つ生徒会に入る。それで僕らの親衛隊が黙ってると思うか?」
……いい提案だと思うんだけどな~。
「お前はナオのことになると周り見えなさすぎ」
「だって…」
「そうですよ」
いきなり声がした方を見ると、さっきまで黙って微笑ましく見ていた麻琴が口を開いていた。
「青空…ナオのことを考えるなら、少しはナオ離れも必要だよ」
「……じゃあ、澪って呼ばなきゃだめなの?」
ナオの本名は木村 澪だった。
「いや、それはいんじゃね?」
雪が答えた。
「学校では、人前ではナオに話しかけない。僕らがナオって名前を口に出しても澪だとはバレないから、好きなだけナオの話は出来る。」
「そっか…ナオ…」
さみしいよ。
「世の中、ナオ以外要らないのに…」
さみしいよ、ナオ。
僕はウサギなんでしょ?
さみしくて死んじゃう前に会いにきて…。
ーsora side endー




