黒猫の名前
飛び降りた。
部屋が2階で、ギリギリ飛び降りれる高さでよかった。
しかし安心はできない。
ガサッ
その後すぐ青空が飛び降りて追ってくる。
この方法…青空には敵わない。
教えてくれたのが青空だから。
少しでも逃げようと全力で走り出した。
その頃、部屋に残った人たちは
「え……」
「みーくん!?どうしよう!みーくんがっ!」
「んんっ…ふぁ~なにごと?」
2階から飛び降りた澪に
驚く晶に
焦る奈美
今起きた瑠伊
「みーくんが、今ここから飛び降りて…えっ、どうしよっ!」
パニックの奈美。
「大丈夫だよ。澪前も2階から飛び降りてたし」
1度、目にしたことのある瑠伊は冷静に奈美を落ち着かせた。
「黒猫…」
そして小さく呟くハルカ。
しかし雪はその言葉を
聞き逃さなかった。
「黒猫…?」
ハルカを睨み低い声を出す雪。
「な、なんだよ!」
空気に耐えきれなくなったのか晶が雪に問いただした。
「黒猫って今ここから飛び降りた男の子のこと?」
目を逸らすことなくハルカに聞く雪。
「そう…だけど…?」
ハルカも目を逸らさず雪を見て答えた。
「ふーん…なるほどね」
何かわかったかのように怪しい笑みを浮かべる雪。
「な、なんだよ!さっきから!」
「黒猫って、僕らがつけた名前の子が居てね?僕らずっとその子を探してるの…」
「それって…」
「そう、たぶんあの子。見た目が随分変わってるけどね。あの言葉に、あの行動…間違いない」
「なんで探してる」
澪を昔から知ってるような言葉そして怪しい笑み…なんだか悔しくなり晶は少し怒りを込めて雪に問う。
「何でって逃げるからだよ」
「逃げる?」
「そう、僕らを怖がってね」
「あいつに何をした」
「何を『した』ってより『された』かな?」
「された?」
「直接何かされたわけじゃないけど、仲間がバラバラになったかな?」
少し辛そうに笑う雪。
「まぁ、僕らはみんなナオが悪いなんて思ってないし、怒ってもいないんだけど」
さっきまでの辛そうな表情は消え明るい声に戻った。
「そんなことより、二人のとこいこう。もう青空に捕まってるはずだから」
雪の言葉を聞いた時、晶は澪の言葉を思い出した。
『仲間とか要らないし、頼るとかしない。助けなんか要らない。』




