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猫は静かに姿を消した  作者: 神梛 那央
22/82

黒猫とウサギ



時間が早かったので散歩ついでに敷地内にあるコンビニに寄った。




お菓子売り場に懐かしい人影があった。






「ふっ…変わらないな」



誰にも聞こえないほど小さな声で呟きその人物に近づいた。




関わらなきゃいいだけとか言って体は勝手に近づいていく。




そして



「うさぎ…」




ついそう呼んでしまった。





「え?」




大きな瞳がこちらを向いた。




「あ、えっと…うさぎみたいだなって思って」




「そう…僕、昔大切な人にうさぎって呼ばれてからこの苗字気に入ってるんだ」




「そ…うですか」



ソラにうさぎって名付けたのは私だ。

宇佐見(うさみ)がうさぎみたいだからって単純な由来だけど。



ソラが話してくれてなんだか心が温かくなった。




「君、その大切な人に似てる」



「そうですか、では僕はこの辺で…」



さすがにバレると思って用を済ませようと離れた。




キョロキョロと探し物をしていると



「何か探し物?」



ついてきたのかよ…





「ココアを…」




「それならここに」



差し出されたのは紙パックに入った冷たいココアだった。




「温かいココアなんだけど…やっぱりないですよね?」



「!?」



凄く驚いた顔をしたソラ。




夏に温かいココア置いてあるわけないよね。





「えっと、宇佐見(うさみ)さんでしたよね?これ良かったらどうぞ。怪しいものははいってないので。僕はチョコでも買って帰ります。」




イチゴミルク味の飴をソラに1つあげてコンビニからでた。




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