決意
女の子って可愛いよね。
華奢な肩に小さな手。細長い手足に艶々した長い髪。まるで人形のよう。でも、人形と違って扱いは何倍も丁寧に。少しのことで傷ついたり、壊れたりするから。この接し方で、男の子の性格や器などが決まると、僕は勝手に思っている。
話を元に戻そう。閑話休題ってやつか。
おじいちゃんの質問に答えていなかった。
安堵から思いっきり泣いてしまったのだ。
今更ながら少し恥ずかしい。が、それと質問に答えないのとは話は別だ。"僕"には話さないといけない義務がある。
「"僕"は…十数年も男の子だったから、男の子でいたかった。でも、この先数十年は女の子の身体なんだから…"僕"は、いや、『私』は、女の子として生きていく。」
そう。これは曲げようのない事実。
十数年男の子として生きてきたのも"事実"。
これから数十年女の子として生きていかなければならないのも"事実"。
ならば、今のこの状況を受け入れて、前を向いて歩いて生きたい。そう思った。
おじいちゃんは真剣な顔で私をまっすぐ見据えたあと、にっこりと笑った。
「分かった。これからもよろしく頼むぞ、葵。」
「えぇ。よろしくお願いしますね、葵ちゃん。」
「うん!これからもよろしくね!」
不安は、多々ある。
学校のことや友人のこと。幼なじみのことやこれから出来るであろう友達のこと。
でも、迷いはない。
自分で腹をくくったのだ。これから"僕"は、いや、これから私は、女の子として生きていく。
あ、女の子になったんだし、一度で良いから男の子たちをたぶらかしてみたいなー。おもしろそう。
まぁ、私にはまだ早そうだ。それより、早く治さないと。
それと、そこ。私は今のところ男の子は恋愛対象じゃないからな。ホモじゃないからな。今は女の子の身体だけど。
でも、女の子を好きになっても良いのだろうか…
まぁ、そこは後々考えるとしようじゃあないか。




