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不思議な病気のある世界  作者: 永山次郎
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家族会議の行方にございます


 「では、審議を始めよう。」


 おじいちゃんの一言を皮切りに我が家の家族会議が始まった。


 長方形の机越しに見える3人の顔は、うっすらとしか付いていない電気に照らされて出来た影で覆われていて凄く怖い。


 僕は長方形の短い辺にあるイスに腰掛けて審判が下されるのを待っている。僕の右隣には愛理、左隣にはおばあちゃん。向かい側にはおじいちゃんが座っていて、こちらに視線を投げかけている。


 この状況と空気を察するに、弁明の余地が与えられたのだろう。僕は静かに立ち上がり経緯を説明し、3人に理解を求めた。


 「…と言うわけで今回は帰宅に遅れがでました。反省はしています。以上です。」


 その3人はそれぞれ違う反応を見せた。

 おじいちゃんは「ふむ、」と声を漏らしなにかを考える様子。

 おばあちゃんは「良かったわねー」といつも通りの笑顔。

 愛理は…えっと…怒ってる…?口を一文字に結んでいる愛理は怒っているような感じだ。特に怒られる要素はなかったけど…


 そう思っていると、愛理がシュビッと真っ直ぐ手を挙げ僕に質問を投げかけてきた。


 「はい!お姉ちゃんはこの『寄り道禁止条例』を覚えてましたか!?」

 そうだな…ここは普通にさっきまで忘れてて今思い出したって答えても良いけど、もしかすると逃げられる可能性が無きにもあらず…?


 と結論づけて。

 「いいえ、実はその条例に賛成した記憶が全くないのです…」

 シラを切ってみる。


 「それは、肯定していないと言うことですね?」

 「はい。先ほどの…なんでしたっけ?」

 「『寄り道禁止条例』ですか?」

 「それです。その条例は聞いた記憶はあるのですが、首肯した覚えも賛成した覚えもないんです。」

 「内容はご存じですね?」

 「はい。要約すると、僕のため及び愛理のためだと言うことです。よね?」

 「えぇ。その内容は私たち姉妹のためにみんなで話し合った結果です。それなのに、お姉ちゃんは賛成しなかったと。そう言うことですね?」


 うっ…その言いぐさだと、まるで僕が悪い人みたいじゃないか…いや、家族会議の議題に上るくらい今回は悪い人だけれども…


 「…あー、首肯はしたような気がします。すみません。なにぶん前の話ですので。」

 「数日前の出来事ですけどね。」

 「…すみません。」

 先程から痛いところを突いてくる…さすがは愛理…確実に追い込んでいくその姿勢、この状況でなければ頼もしい限りだよ。


 「もう良いかい?」

 おじいちゃんが愛理の追求(暴走)を止めてくれた。愛理も引き下がる。

 僕はふぅっと息を吐き、判決を待つことにする。


 「被告人。」

 あ、やっぱり僕の立ち位置は被告人ですか。そこは家族会議だし名指しで良いんじゃないのかな?どうでも良いか。


 そんな風に思いながら軽い気持ちで考えていた。



 しかし、現実はそう甘くなく


 非情にも、裁判長たるおじいちゃんが下した刑は


 僕に多大な精神的ダメージを負わせた






 「鈴木葵を『おやつ一週間抜き』の刑に処する。」



 そんな…まさか…嘘でしょ…?



 まさかの展開です。みなさんはおやつを食されていますでしょうか?

 おやつ一週間抜きでここまで打ちひしがれるのは葵がまだ中学生だからということにしています。

 もしも高校生でしたら財布からチョロッと出してチョイチョイっと買えますから。

 それに、いつの時代も女の子は甘いものが大好きと相場が決まってるそうですし(知人曰わく)。


 ちなみに僕は一日中スナック菓子を食べては気分が悪くなって夜寝られないという悪循環を休みの度にしています。分かってはいるんですが、とまらないんですよね…

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