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不思議な病気のある世界  作者: 永山次郎
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悪いのはどなたでしょう?


 少し頭を整理してみよう。

 寝起きの回らない頭で必死に考える。

 僕は授業中寝ていた。国語の授業だったが、先生も連行事件を知っているようで「…今日だけだぞ」と言って見逃してくれた。なんだ先生ツンデレですか?とか思ったり思わなかったり。この疲れは連行事件じゃなく朝の出来事のせいなんだけどね…


 ともあれ、僕は先ほど起きさせていただきました。

 なんだか、頭が重い。いや、髪が重い…?それに大量の視線を浴びているような…?

 寝ぼけ眼で周りを見渡す。右も左も白白白…前も後ろも白白白…おお。どこもかしこも白一色だすげえ。


 はい。包囲されてました。白の世界に小山がいちにーさんしーごー…たくさんある。つまり囲んでいるのは女の子という事だろう。あ、1つだけ小山じゃなくて爆弾がある。いや2つか。とりあえずこれは百合だな。


 それから囲んでいる人間の顔を見ようと上を向く。これまた可愛い子がたくさんですなぁ…

 うちのクラスは、というかうちの学校はかなり美男美女が多い。顔で選んでいるのでは疑惑が浮上してくるのも無理がないほど多い。右も左も美男美女。こちとら眼福なので一向に構わないのだが。


 話が逸れたようだ。とりあえず違和感を払拭できない頭髪を触ってみようとする。すると『ちょちょちょちょちょい待ち!』と止められる。必死に止められる。

 ていうかこのクラスよくハモるよな。みんな同じ事でも考えてるんだろうか?それはないか。でも、これは校内合唱コンクールとかあったら優勝候補間違いなしですな!


 でも、それはそれ、これはこれ。僕の髪の毛なのに、何故他人の貴女方から許可を得なければならないのか。否!許可などいらぬ!好きなときに好きなように触らせていただこうではないか!


 改めて手を動かすと、爆弾方面から手が伸びて僕の動きを制限した。むっ、百合の野郎なめやがって。そんな程度で僕を拘束できるとでも思って…思って…


 はい拘束されましたー。包囲されたあげく拘束されました本当にありがとうございますー。


 いやそんなドM発言はどうでもいいんだ。問題は、何故僕は髪を触れないのか。理由はきっと重い髪と関係あるんだろうな…


 数分間拘束され、解放されるときがやってきた。しかし、解放する条件は「写真を撮らせてもらう」とのこと。

 やだよ。僕ぁ写真写り良くないし、そもそもカメラで撮られるという行為自体嫌いだ。

 分かるよ?たくさん撮って思い出に残したいってのはよーく分かるよ?でもね、毎日パシャパシャ撮ってるのは頂けない。僕に言わせていただくと、ここぞというときに撮ってこそカメラは最大限輝けるのだ。と思う。日常的に撮ってしまったらせっかくの非日常が1つなくなり、楽しみが減るじゃないか。そんなのもったいない。

 故に、携帯電話であろうと一眼レフカメラ(?)であろうと、写真は行事や旅行でと僕は決めている。それからカメラを向けられると照れる!以上!


 と言ったのだが…はいはいと流されてしまった…

 こんなに力説したのに、そんな感じで流しちゃうんスか。ていうか絶対はいはいって言ったの百合だろ!さっきのまだ根に持ってるだろ!


 やーめーろー!と顔を手で隠し机に倒れようとするが、多勢に無勢。姿勢良く座らされ脇をくすぐられる。

 あひゃひゃと変な笑い声をあげながら身体をよじる僕。するとカメラを構えている女の子に「ほらー動かないでー」と言われた。んな無茶な。


 ひぃひぃ言いながら降参すると脇から手が放れた。息がかなり上がっている。落ち着かねばまじでヤバい。また次の授業でも寝てしまう…


 「葵ー!こっち見て見てー!」

 「ほらほら葵ちゃーん!こっち向いて向いてー!」

 「あーいいよー葵ちゃんいいよー」

 「あ、葵たんのうなじだぁ…白くてすべすべで柔らかそうなうなじだぁ…ハァハァ」


 口々にみんなが言ってくる。だからカメラは苦手なんだって。旅行とかのテンションなら大丈夫だけど、こういう感じは苦手なんだって…あと最後の奴は病院行けな?


 とりあえずそっぽを向きながら顔を上げる。その瞬間一斉にあっちこっちからシャッターが切られた。


 「いやーん葵ちゃん照れてるー」

 「可愛いねー照れてる葵ちゃん超可愛いねー」

 「顔赤くしてる葵たんかわゆす…耳まで赤くなってる葵たんかわゆす…耳に息吹きかけたい…」


 くっそ。うるせぇお前ら!あっち行けよ!

 とか思っても言えない僕は黙って撮られ続ける。

 最近僕は口が悪くなってる気がする…まだ中学校に入って4日目くらいなのに…

 ていうか最後の奴まじで病院行けや。あと特定してお前には近づきたくないわ。怖いわ本当に。






 なんやかんや揉みくちゃにされました。それから、重かった奴の正体は自分の髪でした。いつの間にか手を加えられていて、フランスのお姫様みたいな髪型にされてました。誰だよこれ編んだ奴。うめぇな。

 ていうか解けないんですけど…誰か解いてよ…と悪戦苦闘してたら授業始まったので、この髪のままで授業受けました。もちろん先生に突っ込まれたけど、気付いたらこうなってたと言ったら怪訝そうな顔された。いや本当だって。


 いろいろ疲れて、また寝てしまった葵さんなのでした…


 あ、さっきのうなじ発言の奴。あろう事か男だったは。名前は…確か里山昴さとやますばる。名前負けしすぎだろってくらい太ってた。いや、口悪いのは仕方ないからな?あいつが悪いんだからな?


 てな訳で、要注意人物を特定。警戒態勢に入ります。


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