制裁を下しましょう
痛い!
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!
血が!血が出てる!ケガしてる!
なんで?どうして僕がこんな目に?
もうイヤ!痛いし怖いし、誰か助けて…お願い…
パニックに陥る僕リーダーの男が話しかけてくる。
「君が悪いんだよー?途中でバタバタと暴れる君がねー?ケガさせたくなかったんだけどさー、暴れられてちゃ出来るもんも出来ないでしょ?仕方なかったんだー。」
そのまま彼は続けて話す。
「だから。もう暴れなかったら痛い思いしなくて済むからね?自分を守るためにも、大人しくしておこうね?あ、でも声は出してて良いからねー。」
僕は頭を縦に激しく振った。
もうこれ以上痛いのはイヤだ。それだけが頭の中を支配していく。痛くないんだったら、怖いけど、耐えられる。そう思う。
覚悟を決めて相手の動きを待つ。
しようとしていることは想像がつくので、腰を抜かしているのもあるが、なにも僕から動く必要はないとも思っている。
3人が黒い笑顔で近づいてきたので、いい加減ここで諦めようとした次の瞬間。
ドアが勢いよく開いた。
ドアの向こうにいたのは…誰だ?
すごく大きいのは見えるんだけど、目の焦点が合わなくてシルエットしか分からない。
まさか、3人から4人になったのか!?
結果を言えば、そんなことはなかった。
茶髪男3人組が倒れていったからだ。
シルエット男は動きが素早く、鋭い攻撃を繰り出していった。
まず(僕から見て)右側の男の鳩尾に強烈な一撃をお見舞い。すぐに沈めた。
次に左側の男に勢いの乗っていた足を振り上げ、そのまま喉元に叩き込んだ。左の男は「うっ」とこぼし昏倒した。
この間僅か数秒。真ん中の男は一歩も動けていない。ハッと我に返ったリーダーは、持っていたナイフを構えようとするが、その前に右ストレートが顔にめり込んだ。
一気に静かになる室内。
そんな空間に僕とその人の2人きりになった。
僕はよろよろと立ち上がり、お礼を言おうとするが、それを遮るかのように声がかけられる。
「もう大丈夫じゃよ。」
優しい言葉は、聞き慣れた声で発せられた。
あ、これは。
「おじいちゃん…?」
その人、いや、おじいちゃんと思われし人は、僕ににっこりと笑いかけてくれた。
僕はその笑顔を見て安心し、糸が切れたように倒れた。
その後のことは覚えていない。
気づいたら病院にいた。
太ももには包帯が巻かれ、あまり激しく運動しないようにと医者に注意される。分かってますって。
おじいちゃんに「あの時助けに来てくれたのっておじいちゃんだよね?」と確認をしたが、微笑むだけでなにも答えてくれない。
あ、でも妹には厳重に『寄り道禁止条例』を我が家で定められたので、不自由な生活になりそうだな…とか思ったりした。でも、僕を思ってのことなので嬉しくもあった。なんかこう、こそばゆかった。
とりあえず、休もうか…
僕はベッドで横になって目を閉じた。
明日から学校に行けますように…




