身体測定のお時間です『百合恵side』
こそこそと着替える。誰にも見られないように、注目を集めないように。
本当は隅の隅で着替えたかったのだが、一緒に来た葵ちゃんが入り口付近で顔を赤くして奥に進まなかったので、やむを得ず入ってすぐのロッカーに着替えをおいたのだ。
それにしても今の葵ちゃんの行動、昔の私に似てる。
葵ちゃんには言ってないのだが、私には秘密が一つある。そして、私の秘密を知る人は数少ない。葵ちゃんにも話せるくらい仲良くなりたいなぁ。もしかしたら"同じ匂い"の原因もそこから来てるのかもしれない。
いや、それはないか。考えすぎだね。
そう結論づけ、着替えを始める。
まず上着のボタンをはずす。一通り外したところで体育着の上を頭からすっぽりと被る。そして中でもぞもぞと動き右腕を通して、最後に左袖の方から中の制服を剥ぐ。いわゆる女子着替えってやつなのかな?
そこで一息ついてふと葵ちゃんの方を見る。そして驚く。
なんと、ブラジャーにスカートという格好で仁王立ちしているではないか。
しかも何やらブツブツと呟き胸を見ている。顔が怖いよ葵ちゃん。
そして、誰も見てないと思っているのか、無意識なのか。両の手で鷲掴みしそうになっている。
まずい。いくら女子更衣室だとはいえ、その行為はまずすぎる。
慌てて声をかけ、行動を中止させる。
「あ、葵ちゃんのブラジャー可愛いねぇ~。」
どもった。バレない程度だと思うが、どもった。大丈夫かな?
顔色を伺う。話しかけてくれたときと同じ笑顔だ。よかったバレてなかったか。
「ありがと~。百合恵ちゃんのも可愛…ね…っ!!」
そう言って葵ちゃんは一点を見つめた。目を見開いている。一点の先は…私!?しかも胸!?
葵ちゃんはビックリした顔のまま私の胸と自分の胸を見比べている。
葵ちゃんの胸は、その、大きくはなかった。
しかし、そっそりした手足やくびれたウエストなどを見れば、葵ちゃんの体に似合う大きさだ。それに、とてもきれいな形をしている。
それに比べ…私は…
腕を前に出す。胸の脂肪が形を変え、胸に段差が出来る。これがいわゆる"たにま"らしい。昔男子に教えてもらった。彼の息が荒かったのを鮮明に覚えている。できれば忘れたいが。
「時に百合恵ちゃん。何をしているのだね?」
変な口調で質問してくる。どこの時代の子なのさ。
「なんで変な口調になったのか気になるところだけど… まぁ良いか。なんだか、みんなのとおっぱいと比べると、 私のおっぱい少し大きいかなぁって。"そうじゅく"ってやつ なのかなぁ…」
そう言って胸を掴み小さく振動させる。思ったより揺れたが気にしない。肥えてなんかない。
"そうじゅく"。この言葉も彼に教えてもらった。
そういえば彼に髪の毛1本と爪1つ。それから口の中をこすった綿棒をくれと懇願されたのを思い出した。
あれは気持ち悪かった。なんだろう、危ない匂いがした。渡してはいけないって声が聞こえた気もする。
後で聞くと、私のかかった病気が関係しているらしい。何とかって言う名前の病気だ。長くて覚えていないが。
その病気にかかった子の皮膚、髪、爪には特殊な魔力が詰まっているとか何とか。
オカルト好きの彼ならではだった。どちらにせよ気持ち悪いからいやだが。
身震いしながら身体測定に向かう。途中で葵ちゃんに心配そうな顔されたが、大丈夫ですの顔をする。
できれば彼と同じ中学に行きたくなかった。何故か志望校が被ってしまったのだ。彼は落ちると思っていたのに、結構上位で受かっていて少しムカつく。
そんなこんなで、始まりました。身体測定。
書くことは…特にないですね。
胸囲を測るときに担当の教師(女)が大きいねーとか言って揉んできてなんかいないです。割愛。
身長:149.5㎝
体重:40.4㎏
座高:76.2㎝
視力:右1.6
左1.6
となりました。はい。
身長伸びましたー!葵ちゃんより大きいと伝えるとムスッとした顔になって拗ねました。ハムスターみたいで可愛かったというのは内緒です。
さーて。授業も頑張るぞー!
ルンルン気分で更衣室に向かう私と、重い空気を醸し出す葵ちゃんはすぐに着替え、次の授業の準備に取りかかるのでした。
えー!?葵ちゃん、みんなに体重言ってないんですかー!?なんとまぁ…それを私にも言ってくださいよ!私言っちゃいましたよ恥ずかしい!
僕より大きい罰だって…そんな理不尽な…




