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不思議な病気のある世界  作者: 永山次郎
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新学期『新キャラside』


 僕は、目立たない人間だ。今までも、そして多分、これからも。


 あ、初めまして。僕は佐藤一郎さとういちろうと申します。以後お見知りおきを。使い方は当たってるのだろうか?まぁいい。


 趣味はテレビ観賞。特技はデコピン。

 主に特技の方で何言ってんのこいつ状態だと思いますので、補足説明を。

 昔の僕にはこれという特技や趣味が無かったのです。そこで"デコピンで鉛筆を折る"というものに挑戦。意外とあっさり出来てしまったので突き詰めていった結果、結構な威力にまで成長。特技と呼んでいいレベルになったのです。補足説明終了。

 運動も勉強も容姿も中の中。可もなく不可もなくと言ったところですね。

身長は156㎝。同じ年頃の男子達と比べても平均程度。

 …えぇ。どう考えても完全にモブキャラの立ち位置です本当にありがとうございます。


 そんな僕もこれからは中学1年生。新しく通う中学校に向かって歩を進めているところです。

 僕のいた小学校は至って平凡。特に秀でたものの無いありふれた学校でした。そこはいじめも厳しい上下関係もない、平和な毎日でした。


 ここの中学校もとても良い所だと聞いているので安心だ。

 幸い僕はいじめの対象にされるほど目立たない人間なので、いじめる側にまわらなければそれなりの生活がのぞめるだろう。


 周りの人を観察しながら歩いていく。男子生徒はふざけ合いながら歩いていて、女子生徒は楽しそうに談笑している。何の変哲もない、ありきたりな登校風景だ。

 挙動不審にならないように観察していると、前を歩く1人の女子生徒で目が留まった。


 真新しい制服。

 太陽に照らされた白い肌。

 細く長い手足。

 小さな手のひら。

 とても華奢な肩。

 僕よりも小さな背丈。

 歩くたびに揺れる黒く長いポニーテール。


 息を飲むほどに可愛らしい少女が歩いていた。


 周りの男子生徒も注視している。女生徒までも。それほど彼女は人目を引きつける可愛らしさを纏っていた。

 そんな事を知ってか知らずか。女の子は可愛らしく、それでいて大きなあくびを一つした。

 それを見計らっていたかのように、ひと際強く風が吹いた。


 周りにいた女生徒たちは慌ててスカートを押さえている。

 しかし少女は違った。


 彼女はバッサバッサと暴れるスカートを気にもせず、風がやむのを立ち止まって待っていた。

 風に煽られるスカートの中身は、もちろん丸見えだ。

 黒色のスパッツだった。だから押さえなくても良いと思ったのだろうか。

 彼女は知らないのだろう。男にとってスパッツは下着同然だという事を。その証拠に、周りの男子生徒はガッツポーズをしている。恥ずかしながら、僕も食い入るように見ていた。


 風が収まると、少女は再びスタスタと歩き始めた。いや、ここでの擬音として最も適切なものはきっとトテトテだろう。とても愛らしい歩き方だ。


 そんな事を思いながら僕も歩き始める。すると、学校のチャイムが鳴り響いた。慌てて走り出す生徒と一緒に僕も走りだす。

 少女ももちろん走り出していた。しかし、お世辞にも早いとは言い難い。

 少女を追い抜いた。追い抜く瞬間、チラっとだけお顔を拝見した。


 やはり整った可愛い女の子だった。走ってても可愛い。

 赤いリボンを付けているので、同い年という事が分かった。


 同じクラスになれると良いな。

 そう心の底から思い、ニヤつく顔を抑えながら僕は走った。


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