新学期
翌日。
桜の花びらがひらひらと舞い散る歩道を歩いている。
そう。僕はついに中学1年生になった。
親の都合で翔と杏奈の2人は先に行ってしまった。なので、心細いが1人でてくてくと歩いているところだ。
昨日は長い間瑞樹さんと杏奈に遊ばれた。何が楽しいのか、いろいろな服を引っ張り出しては僕に着せてキャーキャー言っていた。悲鳴を上げるな。そんなにひどいか。僕は転換後初めて自分の顔を見た時可愛いって思ったんだぞ?ヤバいって、どっちの意味のヤバいなの!?悪い意味!?
そんなこんなで解放されたのは夜の7時だった。長ぇよ。
それから、帰る際僕の両手には2人からもらったお古がいっぱいだった。
女物の服は無かったから願ったりかなったりだが、さすがに下着のお古はちょっと…とも思っていた。
昨日貰った服の中に下着が入っていた。黒色でヒラヒラのスケスケのラメラメだった。今日履く下着が無いとでも思ったのだろうか…?
当たっている。確かに、今日履く下着は一枚も無かった。買い忘れである。もちろん、あっても無くても入ってた下着は履かないがな。
家のタンスを探すと、小学校のころに履いていたスパッツがあった。今日はそのスパッツを着けている。見られても平気だというやつだ。
ゆっくりとマイペースで歩いていく。周りの子の視線が痛い…確かに時間ギリギリだけど、走るのはあまり好きじゃないんだ。ほっといてくれ。
あくびを一つ。くそ、噛み殺せなかったか。ふああ。
左手を口に当てて大きくあくびをした。右手にはスクールバッグ。何も入っていないので軽い。教科書を入れて帰るために持ってきた。いわば"両手が塞がっている状態"なのである。
と、ここで風が強く吹いてきた。髪がバッサバッサとはためく。
風が収まるのを待ってから手櫛で整える。うむ。本日もサラサラだな。
あ、チャイムが鳴った。仕方ない、走るか。
慌てて走る生徒に交じって、僕も全速力で学校を目指す。
新しい学校。
新しい学年。
新しいクラス。
新しい先生。
新しく出来る友達。
あぁ。これからの学校が楽しみだなぁ。




