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不思議な病気のある世界  作者: 永山次郎
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変態…?


 うーん…気まずい。

 門の前で翔に会って数分が経過した。やはりというか、私のことを変な子だと思っているらしい。失礼な話だまったく。

 しかし、本当に見覚えはないだろう。あったらそれはそれで怖いが。前世で会ったとか言われたら頬を叩いてやる。


 さて。そろそろ話をしたいんだが?

 先ほどから翔は話を促す表情をしていた。しかし、まだ話す内容をまとめられていない。困った。

 「あー、うーんと、えー」など呟き困っていると、家の方から物音がした。な、何奴っ!?


 ドアを開けて出てきたのは、翔のお姉ちゃんの瑞樹みずきさんだ。

 瑞樹さんは驚いたような、それでいておもしろそうなものを見つけた表情をして家にまた戻った。

 そのすぐあと、家の中から

 「ママー!翔が可愛い女の子連れてきてるー!ちょー可愛いんだけどー!お家入れていーい?いーよね!やったー!」

 と聞こえてきた。まずい予感がする。


 「し、翔?また後で来るからな?お姉さんによろしくな!電話でもするから!」


 そう言い残してダッシュで逃げようとした。

 それより早く瑞樹さんが

 「逃がすかああああああああああ!!!」

 と叫びながら走ってきた。ヒイイ!!!


 「捕まるわけには、捕まるわけにはぁ!」

 何されるか分んねぇ!早く逃げねば!






 捕まりました。5秒で捕まりました。

 なんだあのスピードは。漫画か。あるいは小説か。舗装された道路の上を走ってるのになんで土煙が上がるんだ。おかしいだろまったく。


 捕まった後で翔の家に上げられ、リビングに通された。とりあえず翔と向かい合う形でソファーに座る。

 今思ったが、翔と話してたとはいえ知らない人間をほいほいと家に上げてしまうのはどうかと思う。ちゃんと防犯とかしてるのだろうか?不安で仕方ない。ていうか、なんで私が心配せねばならぬのだ。


 むすっとしていると、キッチンの方から瑞樹さんがお茶を持ってやってきた。

 差し出されたアイスティーを受け取り、すぐには飲まずに机に置く。警戒しているわけではない。冷たい飲み物を飲むとお腹を壊してしまう。この身体だと余計そうだろう。ひ弱そうだし。


 じっと俯いて座っている私をニタニタと悪い笑みで見ている瑞樹さん。その視線が地味に怖くてさらに俯く。すると瑞樹さんの笑顔がさらにニタニタする。この中でまともなのは翔ただ1人のようだ。瑞樹さんはこんな人だったっけか?


 翔を見る。あ、目を逸らされた。裏切り者めっ!


 そうなこんなで5分。瑞樹さんは携帯をいじり始めた。今がチャンスかもしれない。

 私は思いきって口を開く。


 「あの、私はそろそろ。というか、知らない人を簡単に家に上げない方が良いと思います。これからは気をつけて下さい。では」


 そう言って立ち上がろうとした。しかし、


 「んー、どうしてそんなに他人行儀なのさ葵ちゃん!私は何もしてないアルよ!」


 瑞樹さんの一声で動きを止めた。

 私は、翔にしか名を名乗っていないはず。なのになぜ瑞樹さんは分かったのだろうか?


 「え、なんでこの人の名前知ってんの?やっぱり姉ちゃんの友達?ていうか、なんで葵さんも驚いてるの?友達じゃないの?どういう状況なの?」


 翔も驚いている。というか、パニクっている。

 そうだよ説明してくれよ。目で訴えてみる。


 「いやん♡葵ちゃんったら♡そんなに見つめないでよ♡照れちゃう♡」


 そう言ってビクンビクンする瑞樹さん。伝わってないな。翔も呆れている。


 「なんで私が、いえ、"僕"が葵だと分かったんですか?」


 今はこの口調の方が分かってもらいやすいだろう。

 というか、瑞樹さん。早く質問に答えてよ。


 もう少ししないと答えはいただけないようですな…

 その間に"僕"も頭の中を整理しておこう。


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