43話 カズ「聞いてもいいですか?」
カズ
「ふぅ 叱るのはこれぐらいにして」
「…なんですか?」
もう怒られないかな?
「よく この場所が分かったな」
「場所?」
なんのこと?
「知らないはずだし 偶然だと思うが
この場所で女の子が見つかったんだ」
「あっ」
そっか
「今から言うことは
あまり言いふらさないで ほしいんだが」
「はい」
「女の子の母親から捜索隊に連絡が来たんだ
狸様を祀ってる神社の上の方に川があって
その近くに娘がいるかもってな」
「へぇ」
現在地調べたときに
マップで見た神社って狸様を祀ってたんだ
「それで付近を手分けして探していたら
この場所で地元の消防団員が見つけてな」
「すごい」
私が教えた場所で合ってたんだね
「俺らは最初 半信半疑で探してたんだよ」
「何でですか?」
「母親から急に
狸様の妖精さんに教えてもらったと言われてな」
「…狸様の…妖精…」
それって…
「そんな反応になるよな?
弱みにつけこんだ胡散臭い話かと思って
けど捜索しないわけにもいかず」
「確かに…怪しいですね…あはは…」
…私のことじゃないよね?
「そしたら本当に見つかって
見つけた消防団員も狸様の加護のおかげとか」
「狸様の加護…」
「母親も 狸様の妖精さんが娘を助けてくれた
女の子は女の子で お化けのお姉ちゃんは?って
何がなんだか分からなくてな」
「…そうですね」
場所を教えた私も よく分かってないからね
「怪我もなく無事に見つかって良かったけどな」
「お巡りさんは ここに何しに来たんですか?」
「俺か? 明日また明るくなってから
現場の確認をするんだが
一応忘れ物ないかとか見回りをしていてな」
「見回り…」
「そしたら バナナを持った
一人でいる怪しい女性を見つけて」
「はは…」
バナナ食べずに早く帰ってれば…
「あっ お巡りさんに聞いてもいいですか?」
「なんだ?」
「狸様の伝説のこと
お巡りさんなら色々知ってるかなって」
「狸様の伝説か…」
「学校で習ったことや
ネットに書いてあることぐらいしか知らなくて」
「警官の俺も そこまで大差ないと思うぞ?」
「そうなんですか?」
「あぁ 知ってると思うが
この国は狸様を信仰している」
「はい」
「俺は警察官で公務員だからな
狸様に敬意を払えみたいに
普通の人より言われることはある」
「そうなんだ」
「警察学校や先輩に聞いたり
出回ってない話もあるかもしれないが
まあ 何かの縁だ
分かる範囲でなら答えてやるか」
「はい!」




