42話 カズ「誰だ!」
「帰ろっかな…」
もうすぐ22時になっちゃう
夜の山 なんか出そうで怖くなってきた
たぬきさんだったら マシだけどさ
リンちゃん見つかってて ケイさんにも教えたし
私ここにいる意味もうないよね
帰り道は…普通に下行けばいいかな
カズ
「誰だ!」
「きゃーーー!」
なに!? 急にライト当てられて眩しい…
「すまん…女性の方とは」
「あっ お巡りさん…」
焦ったー…誰かと思ったら お巡りさんだった…
ん? それはそれで ヤバイような…
「いや すまない 脅かせてしまったな」
「いえ…」
どうしよう…
「こんな時間に 誰かいるとは思わなくてな」
「そうですよね…」
あー…早く帰ってれば…
「それで? 夜の山で一人で何してるんだ?」
「えーと…それはですね…」
なんて言えば…
「その手に持ってるのは?」
「これは…」
バナナの皮 持ったままだった
「バナナの皮? バナナ食べていたのか?」
「はい…」
恥ずかしい…
「こんな夜の山の中 女性一人でバナナを?」
「これはですね…その…お腹空いて…」
変な人に思われてるよー…
「お腹空いて? バナナを?」
「うっ…」
もっとマシなこと言えばよかったー
「ん? そこにいるのは…」
「あっ たぬきさんの親子です」
まだ いたんだった
「そうか 狸様にバナナをあげていたのか?」
「はい…食べたそうにしてたので」
よしっ たぬきさんで話題逸らそう
「バナナを狸様にか
まあ 餌をあげること自体は禁止されてないが」
「すいません…
親から たぬきさんには優しくしろと」
「そうだな それは良い心掛けだ」
「はい」
このまま帰れるかな?
「それで? なんでこんな時間に山にいたんだ?
狸様にバナナをあげるためではないだろ?」
「それはですね…」
ダメだったー…
「そうか もしかして ボランティアの」
「えっ?」
ボランティア?
「違うのか?
行方不明の女の子を探しに来てくれたと」
「あっ はい そうです
リンちゃん見つけようと」
最初から そう言っとけばよかった…
「それならそうと 言ってもらえれば」
「急にお巡りさん来てビックリして…」
嘘じゃないね
「確かにな
だがボランティアで来てもらったのは助かるが
もう行方不明の子は見つかっていてな」
「はい…私さっきニュースで知って
まだ見つかってないと思ってまして」
「そうだったのか
ご協力感謝すると言いたいところだが」
「…なんでしょうか…?」
「夜遅い時間に女性一人で山に入って
ライトも持たず軽装備
もし二次遭難でもしたら
どうする気だったんだ?」
「それは…」
何も考えてなかった…
リンちゃんいるはずと思って来て…
「行方不明の女の子を助けたい
その気持ちは分かるがな
安易に山に入られても困るんだ」
「すみません…」
怒られちゃった…
「強い口調になってしまって すまない
だが こういったことに関しては
我々 警察か消防に任せてほしい」
「はい…」
全く持って その通りです…




