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初めての任務?

 会議を終えてからライザーは姿を消してしまった。


 挨拶くらいはしたかったし、あの時のお礼ももう一度きっちりと言いたかった。


 キルアは苦笑いしながら


 「あいつらしいな」


 と言っていた。


 ―もう帰るか…

 

 来たときの道は全部覚えている。帰るのは容易いはずだ。

 

 ただ、ライザーと少し話がしたかった…





 会議が終わって2日後の事だった。


 早速任務が言い渡された。内容は、


 [国の領域周辺のパトロール]


 どういう事かと言うと、ユーラキやシュマデの国境よりやや離れたところを周回するとの事だった。


 ライザーは、


 「…初めての任務だ。これくらいが丁度いい」


 と言っていたので、きっと簡単なのであろう。

 

 これは慣れるためにするものだと大方推測はしてる。




 いつも通り学校へ通い、その日の深夜に任務は遂行された。


 もうこれは任務というよりただの見回りじゃないか…


 

 本部でライザーと合流し、国の外へ向かった。


 急いではいないためほとんどは徒歩で移動した。

 深夜ではあったが相変わらず飲み屋街は賑わっている。


 もうすぐ国境の外だ。外壁が見えてきた。壁の高さは30mほどある。

 今歩いている道をまっすぐ進むと門に着く。その門にはいつも門番がいる。


 ライザーは門番に渡された渡門票に手続きをし、外に出た。


 私のぶんまでしてくれたようだった。門を抜けるとき何も言われなかったから。



 ―今は森の中にある小さな道を歩いている途中だ。

 

 夜が深けていて不気味な上に、時々フクロウが鳴き更に恐怖心を抱かせる。


 そんな中でもライザーは、何一つ顔に出さず平気な素振りで歩く。


 「―怖くないんですか…?」


 私がふと、そう尋ねる。


 「…そのうち慣れる」


 と答え、もう口を開かなかった。

  


 ―結局何も起こらず、いや起こらなくて良かったが任務は無事終了した。


 本部に戻り、報告をした。


 本当は軍の仕事らしいのだが、まともにやる人がいなくて困っているとキルアは言っていた。


 その事についてライザーも


 「改善しなければならない…」


 と真剣に悩んでいた。



 

 ルシナが家に帰ったあと二人はまだ残っていた。


 「―今回の任務は何の問題も無いが、これから起こる事が彼女をどう苦しめるのか…」


 「…時間はかかるだろうな。辞めることだって考えられる」


 「いくら悪い奴でも命は命だ。それを殺めるのは絶対精神的負担を抱えるはずだ」


 キルアは椅子の背もたれに体を預け、息を吐いた。


 




 これから悲惨な事が起こることを彼女はまだ知る由もなかった…


 


 

  

 

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