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39話 ルナ王国の戦い

はじめまして、大森林聡史です。

魔物に追われる王女と、彼女を守ると決めた剣士の物語です。

よければお付き合いください。

 ルーンランドの鍛冶屋で、竜神の鎧の箱の、竜の鍵を開け、竜神の鎧がグレイの体に輝きながら装着される。


「……っ! この力……!」


 鎧から流れ込む膨大な魔力に、グレイの目が鋭く光る。

 また、エクスカリバー、竜神の鎧、光の盾の三種の神器が揃ったことで、それぞれが共鳴しあい、眠っていた力が解放された。

 クリスが、グレイの姿を見て涙を流す。


「グレイ⋯あなたがやはり私の⋯いえ、皆の希望の勇者⋯」


 ミネルバが槍を握りしめ、興奮した声で。


「これで……魔王リャクシンにも……!」


 アリスが杖を高く掲げ、決意の表情を浮かべる。


「姫様……いよいよです……!」


 クリスが王家のレイピアを抜き、指し示す。


「ルナ王国へ……! 父上、母上の仇を……!」


 エルガメラが静かに見送り、呟く。


「……行ってくるがよい……勇者よ……」


 四人の足取りに迷いなく、ルナ王国の奪還へと向かう。


「さあ……行こう……!」


 ルナ王国は、魔王軍に占領されており、大軍が待ちうけていた。

 司令官は、魔王軍の幹部である、ダークナイトである。

 クリスにとっては、父と母の敵でもある。

 そして、城下町は、今や魔物が徘徊するゴーストタウンとなっており、廃墟と化した城下町に、四人の影が静かに立つ。


「……っ……ここが……私の故郷……」

 

 クリスの声が震え、聖なるレイピアが微かに輝く。

 グレイの竜神の鎧が不気味な紫煙に反応し、警告のように光る。


「……邪気で街全体が蝕まれている」


 ミネルバがルナ・スピアを構え、歯を食いしばる。


「姫様⋯アリス……私、あの時の無力さ……もう二度と……」  


 アリスが姉の肩を握りしめ、杖を掲げる。

 

「みんな……戦いに備えて『アンチ・ダークネス』を展開するわ……!」


 四人はアリスの、眩い聖なる結界の魔法に包まれた。

 今や魔物の巣となった、城下町から魔物の群れが彼等を襲う。


「『ヒート・ストリーム』⋯!」


 ファイア・マージの群れが、一斉に火炎魔法を唱え、高熱の熱波が四人を襲うが、結界に阻まれ、かき消えた。


「『サイレンス』」


 すかさず、アリスが、ダークマージ達の魔法を封じた。


「グオオオッ!!」


 リビング・アーマーの群れが、一斉に鋼鉄の斧を振り下ろすが、ミネルバが結界で強化された、ルナ・シールドで防ぎ、斧の方が砕け散った。


「ルナ王国流⋯槍術! 『薙ぎ・二段!!』」


 ミネルバが、ルナ・スピアでリビング・アーマー達を薙ぎ払い、胴を真っ二つにし、すぐさま逆方向に薙ぎ払い、今度は腰を真っ二つにし、リビング・アーマーは、三つに切り裂かれ倒れた。


「ガアアアッ!!」


 デス・ファルコンの群れが、目にも止まらぬスピードで、次々と急降下し、その鋭いクチバシで攻撃してきたが、クリスがやはり結界で強化された、魔法の盾で攻撃を受け流しつつ、攻撃を正確に見切り⋯


「『五月雨突き』!!」


 クリスは、デス・ファルコンよりも早く、一体一体の急所を正確に突き倒した。


「ゴオオオーッ!!」

「ウガァッ!!」


 三体のドラゴンが、向かってきて、一匹は火炎を吐き、二匹は鋭い爪を振り下ろしてきた。

 しかし、龍神の鎧を着たグレイには火炎のブレスは通じず、光の盾で攻撃を受け止め、ドラゴンバスターで二匹の首を斬り落とした。

 更に、最後の一匹の首も跳ねた。


「雑魚はいらん! 死にたくなければ俺達に近づくな!!」


 グレイは、エクスカリバーを抜き、切っ先を向けて一喝し、魔物の群れは怯んだ。

 聖なる結界が四人を包み、城下町を抜け城門に差し掛かると、巨躯の漆黒の鎧の騎士がいる。


「ようこそ……ルナの亡霊どもが……」


 奴が、ダークナイトだ。

 漆黒の大剣が地面を割る。


「……来たわね……!」


 クリスの目に涙と決意が浮かび、睨みつける。


「グレイ……!」


 グレイは、エクスカリバー、竜神の鎧、光の盾の三種の神器を身構える。


「ああ……奴を……必ず……! 倒す⋯!!」


 魔王軍とのルナ王国奪還の戦いの火蓋が切られる瞬間だった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

続きも読んでもらえると嬉しいです。

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