38話 竜王との戦い
はじめまして、大森林聡史です。
魔物に追われる王女と、彼女を守ると決めた剣士の物語です。
よければお付き合いください。
奥へ進むと、玉座に巨大な竜が座っている。
彼が竜王だ。
「お、大きい⋯」
クリスが、その巨体に思わず呟いた。
火竜や飛竜よりも一回り⋯いや二回りは大きく、まるで山のようである。
全身が黄金色に輝く鱗に覆われ、巨木のような太い腕、刀のように鋭い爪、大岩のような巨大な足、鯨すら小さく見えるほど太くて大きい長い尾⋯
そして、額に一本の巨大な角が生えた、金色の鱗に覆われた頭。
大きな口に生えている牙は、鉄すら容易に噛みちぎりそうな程、鋭く太い。
竜王の名に相応しい、堂々とした威風を放つ巨竜だった。
「よくぞ、ここまで来た。そなた達の戦いぶりしかと見せてもらったぞ。しかし、龍神の鎧は、力無き者、心無き者に与えるわけにはいかぬ、最後の試練だ。見事この私を倒してみよ!」
竜王の黄金の巨大な翼が広がり、烈風が谷を震撼させる。
「……っ……! この圧倒的な力と魔力……!」
クリスが聖なるレイピアを構え、額に汗を浮かべる。
アリスが杖を握る手に力を込め、震える声で。
「姫様……私の『スターダスト・ミーティア』で……!」
ミネルバがルナ・スピアを構え、グレイと背中を合わせる。
「グレイ…………!」
グレイがドラゴンバスターを高く掲げた。
「……行くぞ……!」
「カアアアアーッ!!」
竜王の灼熱の炎のブレスが、渦を巻き周囲の岩山を溶かしながら、四人を襲う──
「『光の盾』……! 全開……!」
クリスとアリスが光の盾でバリアを張るが⋯
「な、なんて勢いなの⋯!?」
「だ、ダメ⋯防ぎきれない⋯!!」
バリアが炎で溶け、熱波が四人を襲う⋯!
「姫様⋯! アリス⋯!!」
ミネルバが、前に出てルナ・シールドを構える。
「きゃあああっ!!!」
ミネルバは、灼熱の炎をまともに受け、身を焦がされる。
「姉さん!!」
アリスが、涙を流しながら大火傷を負った姉に寄り添った。
「酷いわ⋯! と、とにかく回復魔法を⋯!」
アリスは、ありったけの魔力を込め、姉に回復魔法を唱える。
(た、助かって⋯お願い⋯!!)
「⋯姫様⋯グレイ⋯は、反撃を⋯」
ミネルバは、朦朧とする意識の中で呟いた。
クリスとグレイが頷き、クリスを聖魔法を詠唱する。
「効いて……! 『セイント・フレア』……!」
聖なる炎が、竜王の鱗を焦がす。
「うおおっ!」
グレイは、ドラゴンバスターで焦げた竜王の鱗を薙ぎ払う。
「グアッ!!」
竜王の傷をつけ、赤い鮮血が飛び散る。
しかし、逆鱗に触れた竜王の反撃が迫る──
「おのれ……!」
竜王が、懐にいるグレイめがけて、巨大で刀のように鋭い爪を振り下ろした。
「ヤバい⋯!」
グレイは、受け身も取れずに覚悟を決めたが⋯
「『地獄突き』!!」
「グギャッ!!」
ミネルバが、竜王の腕にルナ・スピアを突き刺し、竜王はたまらず手をのけた。
ミネルバは、アリスの懸命の回復魔法で重症の大火傷が完治している。
「た、助かったぜ⋯」
「グレイ、反撃するぞ!」
「よし⋯!」
グレイとミネルバは、剣と槍を構えた。
「アリス! 私の魔力を⋯!」
「はい! 天翔ける流星よ⋯集いで我が敵を打ち払え!『スターダスト・ミーティア』!!」
クリスは、アリスと手を繋ぎ、魔力を消耗しているアリスに魔力を注ぎ込み、アリスはスターダスト・ミーティアを唱えることに成功した。
「ウオオオッ!!!」
竜王の巨体に、巨大な流星が降り注ぐ⋯
真っ赤に燃える高熱の巨大な流星が、次々と竜王に直撃し、竜王の巨体がよろめいた。
「行くぞ! ミネルバ!」
「『双竜撃』!!」
グレイのドラゴンバスターの突きと、ミネルバのルナ・スピアの突きが、螺旋を描き、竜王の角を折った。
「……ふむ……見事……じゃ……」
竜王の体が光に包まれ、老人の姿に変わる。
「龍神の鎧は……そなたたちに託そう……」
折れた角から小さな鍵が現れ、四人の前に浮かぶ。
ついに、最後の神器を手に入れる時が来た。
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