29話 魔法都市ルーンランド
はじめまして、大森林聡史です。
魔物に追われる王女と、彼女を守ると決めた剣士の物語です。
よければお付き合いください。
翌朝、改めてルーンランドへ向かう事にした一行。
朝もやが立ち込める道を、四人が進む。
「……あの村の人たち、笑顔で送り出してくれたね」
アリスが振り返りながら、杖をくるりと回す。
ミネルバがルナ・スピアを肩に、満足そうにうなずく。
「ええ。私達の戦いには……意味があった」
クリスが、グレイの横に歩み寄る。
「グレイ……ルーンランドでは、私も魔法の修行をしようと思います」
グレイが懐のドラゴンバスターに触れ、静かに笑う。
「俺も……新しい技を習得するか」
道の向こうに、魔法の塔が輝いて見える。
「さあ……行きましょう」
四人の足取りが軽やかに、新たな冒険へと向かう。
魔法の塔に入ると、すぐにマジレーター(魔法の力で動くエレベーターの事)に乗った。
マジレーターがふわりと浮かび上がり、グレイが思わず手すりに掴まる。
「……っ! こ、これは……!」
ミネルバが鎧ごとぎくっと体を硬直させ、目を丸くする。
「……ふ、不自然だ……! 地面が……離れていく……!」
アリスが二人の反応を見て、くすくす笑いながら。
「大丈夫ですよ~。落ちたりしませんから~」
クリスが優しくグレイの袖を引く。
「グレイ、こっちの窓から見えるわよ。ルーンランドの全景が……」
グレイが慎重に窓際に移動し、眼下に広がる空中都市を見下ろす。
「……すごい……」
ミネルバも恐る恐る覗き込み、息を飲む。
「……魔、魔法って……す、凄いのね……」
アリスとクリスが微笑み合い、マジレーターが頂上へと到着する。
「さあ、着きましたよ~。魔法都市ルーンランドへ!」
扉が開き、眩い光と共に新たな冒険が始まる。
ここ、ルーンランドでは、アリス達、魔法使いの装備や、クリスのような軽装の魔法剣士向けの装備があり、まず、四人は武器防具屋へ向かった。
武器防具屋は、魔法の煌めきに包まれている。
「わあ……! この杖、魔力伝導率が90%超えてる……!」
アリスが目を輝かせて、水晶のついた杖を手に取ったのは、クリスタルロッドである。
ミネルバが、鎧のコーナーで奇妙な形のルーン・マントを発見。
「……これ、動きやすそうだが……魔法防御もついてるのか?」
店員がにっこり微笑みながら近づいてくる。
「お客様、良い目をされていますね! あの鎧には──」
一方、クリスが紫色の金属で出来た魔法の紋章が入っている、魔法の鎧に手を伸ばし、グレイに見せる。
「グレイ、これ……私に似合いそうじゃない?」
グレイがその鎧をじっくり眺め、うなずく。
「……ああ。軽そうだし、動きやすそうだ」
店内の奥から、店主と思しき老人が現れる。
「ふむ……その剣……形は違うが⋯ドラゴンスレイヤーかね?」
突然、グレイの剣に興味を示した老人の目が鋭く光る。
「……もしかして、剣聖ヨーバの……?」
店内の空気が一瞬にして緊張に包まれる。
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