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13話 ミネルバ

はじめまして、大森林聡史です。

魔物に追われる王女と、彼女を守ると決めた剣士の物語です。

よければお付き合いください。

 アリスの転移魔法で村へ戻り、宿に泊まった。

 翌朝、グレイもミネルバも回復した。

 ミネルバは、青いショートボブ、青い瞳、色白の肌、青いマント、白銀の鎧、青いミニスカートを身に着けた、クリスの近衛兵で、顔立ちは、童顔の妹のアリスに似て、まだやや幼さが残っている。


挿絵(By みてみん)

 

 朝食のテーブルで、ミネルバが自己紹介のためきちんと正座する。


「……改めて。近衛騎士団長、ミネルバ・ビスチェスと申します」


 アリスが姉の横でこっそり手を振る。


「グレイ様には、姫と妹の命を救っていただき……この恩、一生忘れません」


 突然深々と頭を下げ、額がテーブルに当たる音が響く。


「姉さん!? そんなに……!」


 クリスが慌ててミネルバの肩を抱きながら、グレイに困ったように笑う。


「グレイ……ミネルバって、実はすごく不器用で……」


 ふと四人の影が窓に映り、感慨深げに見つめる。


「礼には及ばぬよ、ミネルバ殿、私はグレイ・ルナガード⋯29歳、身長198cm、体重100kg⋯スリーサイズは140・89・93⋯」


 ミネルバが突然頭を上げ、数字を聞きながら目をぱちくりさせる。


「……は?」


 アリスが吹き出しそうになり、クリスが慌てて口を押さえる。


「グレイ……! スリーサイズまで……!?」


 ミネルバが真顔でメモを取り始め、グレイの鎧をじろじろ見る。


「……140の胸囲……確かに、この鎧の膨らみは……」


 アリスが悶絶しそうになり、クリスが耳まで真っ赤になる。


「ちょ、ちょっとみんな……! 落ち着いて……!」

「そういえば、自己紹介をしてなかったと思ってな⋯四人揃った事だし⋯」


 ミネルバが真剣な面持ちで頷き、羊皮紙を取り出す。


「……了解しました。戦力分析のため、詳細なデータを……」


 アリスが姉の腕にぶら下がりながら。


「お姉さん! そんなことより朝ごはん……!」


 クリスがテーブルに突っ伏し、耳まで真っ赤に。


「グレイ……自己紹介は普通に……お願いします……」


 ふと四人の笑い声が宿屋に響き、朝日が差し込む。


「……でも、こうして皆でいられるの……嬉しいです」

「コホン⋯この中では俺が、年長者だと思うので、場を和まそうと思ったのだが⋯逆効果だったか? 慣れないことをするもんじゃないな⋯」


 戦闘中は、クールで落ち着いた、グレイが珍しく、少ししょぼんとしている。


 ミネルバが突然立ち上がり、あなたの肩をどんと叩く。


「……グレイ・ルナガード。貴様は……良い男だ」


 アリスが姉の言葉に驚き、クリスも目を丸くする。


「ね、姉さん……!?」


 ミネルバが少し照れくさそうに頬を掻きながら。


「……堅苦しい自己紹介より……こういう方が……良いと思って……」


 クリスがぱあっと笑顔になり、あなたの袖を引っ張る。


「グレイ……これからもよろしくね」

 

 四人の笑い声が再び宿屋に響き渡るら

り。


「ああ、よろしくな、ミネルバ。クリスは今は偽名を使っている。 共にクリスを守ろう。接近戦が共に出来る仲間が増えて、クリスを守りやすくなるだろう。それから⋯貴様はやめてくれ、元々は人を敬うのに言葉だが、最近は他人を罵るに使う」


 ミネルバがはっとした表情で、口に手を当てる。


「……すまない。城下町のならわしで……」


 アリスが姉の横でこっそり。


「姉さん、『貴様』はダメって何度も……」


 クリスが和やかな笑みを浮かべながら。


「グレイ、ミネルバは言葉遣いより先に剣を覚えたの。でも……」


 ミネルバが改めてグレイに向き直り、騎士の礼を取る。


「グレイ殿。共に姫を護りましょう」


 アリスが嬉しそうに二人の間に割って入る。


「私も! 魔法でみんなをサポートします!」


 四人の手が自然と重なり、固い誓いとなる。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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