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私の好きな成樹君  作者: 宇目 観月(うめ みづき)
7/12

死なないで


私が恐る恐る近づくと、成樹君が、


「ウーッ、痛ってー」


って、横になったまま、手で右脚を押さえ

て唸ってた。


彼のズボンは、脛の辺りが破れてて血が流

れてた。


私は成樹君が生きてたからホッとしたの。


もし成樹君が頭を強く打って、即死してた

らって思うと、気が気じゃなかった。


私は体をガタガタ震わせながら、

成樹君の横にしゃがみ込んだの。


「な、成樹君、大丈夫?」


「大丈夫じゃねえよ、絵子、救急車呼んで

くれ・・・相手の奴は?」


って、成樹君が聞いたの。

私は後ろを振り返った。


バイクのライダーは今、上半身を起こして

立ち上がろうとしてた。


その時には、近所の住人たちが驚いて

事故現場にパラパラと集まって来てた。


「相手の人、大丈夫みたいよ」


「そっか、良かった」


成樹君は私を見て少し笑ったの。

そして目を閉じると、動かなくなった。


私は成樹君の開襟シャツの袖を掴んで、

呟いたの。


「そ、そんな、成樹君・・成樹君」


そして、私は声を限りに叫んだ。


「成樹君! お願い、死なないでーー!」


涙がボロボロ溢れて来た。


「嫌・・嫌よ、そんなの嫌! 成樹君・・

成樹君!」


私は首を振りながら何度も叫んだ。

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