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人間から嫌われている私は、魔族に愛される魔女だったらしい  作者: シン
第二章~魔族 VS 勇者~

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SS 魔王の告白

最後のSSです!

やっとイチャイチャ回です!

 これは、ディアナとステラがブレスレット作りに勤しんだ後の出来事。

 ディアナはテオの存在をすっかり忘れ、夜にステラと一緒寝室に戻ろうとした。しかしディアナの寝室の前には、テオが陣取っていた。

 テオの姿を認識した瞬間、ディアナの体は強張った。


「……遅かったな」

 テオは恐ろしいほど無表情で、仄暗いオーラを発していた。

 ディアナの頬に冷や汗が伝った。

 ステラはディアナの腕を引き寄せる。

「別にいいでしょう。私とディアナは家族なんだから」


 空気が一層冷たくなった気がする。

 ディアナはただテオの様子を伺えながら、突っ立っていることしか出来なかった。

 テオはディアナの手を掴み、無理矢理ステラから引き剥がす。

「ディアナを返してもらうぞ、人間の聖女」

「え、ちょ――」

 ステラが反応する間もなく、テオはディアナを部屋に押し込み、部屋の前に強力な結界を張った。


 2人きりになった空間で、ディアナは必死に言葉を探した。

 (どう説明すれば……わざと放置したのではないのです!!)

「申し開きがあれば聞こう」

 テオは不機嫌さを全面的に出した。そのオーラに圧倒され、ディアナは益々焦りを感じた。


「わざとではないのです!ステラが何かを悩んでいる様子だから、励まそうと――」

「ふーん」

 ディアナの言い分に納得していない様子のテオは、ディアナの手を取った。自分はベッドに座り、ディアナを逃がさないように抱き寄せ、向かい合わせになる。


 (テオの顔が近い〜〜!)

 ディアナは動揺を必死に抑えるが、顔がみるみる赤くなっていく。

 逃げようとも、力強い手にしっかりと固定され、身動きが取れない。


「あの、テオ様……?」

 恐る恐るテオの目を覗き込む。

 その瞳は逃がす気のない熱を帯びていた。

「お前の特別は、俺だろう」


 テオは有無言わせぬように、ディアナを抱く力を強める。

「あの聖女ではない、俺を優先しろ」

 その言葉はあまりにも真っ直ぐで、ディアナは返事に戸惑った。

「えっと、それは――」

「できないのか……恋人なんだろう?」


 ディアナが言い淀んでいるのを見て、テオはさらに迫る。

「こっ!?テオ様は、恋人というものを勘違いしていると思います!」

「どういうことだ?」

 ディアナは言い訳をしているかのように、早口になっていく。


「恋人というのは、確かに特別の存在ですが、それは好き合っている相手なことで――」

「好きとはなんだ」

 いきなり哲学じみた質問をされ、ディアナは言葉がおぼつかなくなっていく。

「好きとは、その……相手にドキドキしたり……触れたいと思ったり……」

 (なんか、ステラの言葉を繰り返しているだけな気がする)

 

「ドキドキ……」

「テオ様は、私を相手にドキドキしたことが、あるのですか?」

 ディアナはやけになり、とんでもない言葉を口にした。

 (テオ様はいつも余裕そうだから、答えは決まって――)


「お前といて、動悸が激しくなったことは……ある」

 この時、テオの頭に浮かんだのは、まさにディアナに"特別"と言われた時の記憶だった。

 その時のテオは、間違いなく初めて動悸が異常に激しくなり、妙な気分になっていた。

 

 予想外の返答に、ディアナの頭は真っ白になった。

 (ある……アル……あれ?何の話だったっけ?)

「お前に触れたいというのも、常に思っているし、触れている。あと、あの聖女は安心感も言っていたな、それもある。お前の力が原因なのかはわからんがな」


 テオの怒涛の告白に、ディアナは処理が間に合わず、パンク寸前である。

「お前はどうなんだ?俺といる時、動悸が激しくなることはあるか?」

 テオに質問を返され、ディアナの停止した頭が再び回り出した。


「わ、たしは……私も、あります」

 それはもう、テオと比べられないほどに。

 真っ直ぐな眼差しを向けられた時も、割れ物のように触れてくる時も、いきなり抱き上げられた時も。

 (あれ?もしかして私、全部当てはまっている?)

 彼女は今更気づいたのである、自分は自分の言葉に特大ブーメランが刺さっていることを。

 どきめきはもちろん、テオに優しい言葉を投げかけられた時は安心感を覚えるし、触れたい……かどうかはわからないけど、触れられることに嫌悪感は感じない。


「もしかして私、テオ様のこと……好き?」

 愛情をあまり感じたことがないディアナは、この感情の正体に確信を持てずにいた。それでも、思わず出た言葉に、案外しっくりきていた。

 

 それを自覚してしまったディアナは、恥ずかしさに耐えきれず両手で表情を隠そうとしたが、テオはすぐその手を掴んだ。

「じゃあ、やはり恋人でいいな」

「そう……かも?」

「なら、お前はあの聖女じゃなく、もっと俺を優先しろ」

 話題がいつのまにか最初に振り戻した。しかしディアナにはすでに、それを突き返す理由を失っていた。

「わ、かりました」


 テオはやっと満足し、ディアナを抱く力を緩めるが、まだ手放そうとしない。

「あと、恋人というのは、何をするものだ?」

「えっ!?えーと、手を繋いたり」

 テオはディアナも指に、自分の指を絡める。


「それから?」

「抱き合ったり」

「もうしている」

「……く、口付け――」


 テオはディアナの頭を引き寄せ、唇を重ねた。

「ん……っ」

 数秒で離れ、テオは小さく呟いた。

「これは……悪くないな」

 もう一度唇を重ね、今度は音を立てながら、舌を滑り込ませ、ディアナの舌を絡め取る。

「んっ……んん……はっ」


 その熱に、ディアナの目はとろんと濡れ、恍惚とした表情を見せた。

「これは、癖になりそうだ」

 緩めたはずの手に再び力が入り、テオはまだ顔を近づけた。

「ま、待ってください、息が――」

「無理だ、もっとお前をよこせ」


 その夜、テオは満足するまで、何度も口付けを重ね、唇のみならず、頬、首筋、耳など、いろんなところに口付けを落とした。

 そして正式に恋人となったことで、魔王テオの溺愛は、再び加速した。

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