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【書籍2巻2/10】感情を殺すのをやめた元公爵令嬢は、みんなに溺愛されています!【コミカライズ】  作者: 夕立悠理
一章

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本題

 婚約。私とルドフィルが。

 確かに、誰かと婚約してしまえば、余計な噂が立つこともなく平穏無事に学園生活を過ごせるかもしれない。


 でも。

「お気遣い下さり、ありがとうございます。でも、私とルドフィル様では身分が違いすぎますし、そこまでご迷惑をおかけするわけには……」


 それにルドフィルには、特別に想う人がいるのだ。いくら従兄だからとそこまでしてもらう理由がなかった。


「父上と母上のことなら、心配ないよ。それに、僕がブレンダのことで迷惑だと思うことなんて、何一つない」


 そういう意味ではないのはわかっているけれど。それはまるで、殺し文句のような。


「ブレンダが、ブレンダらしく過ごせるのが一番だから。そういう方法もあるよ、程度に考えてみて」

「……ありがとう、ございます」


 ルドフィルは、優しい。

 けれど、その優しさに甘えちゃ駄目だ。

 アレクシス殿下のことは、なるべく自分で解決しないと。


◇ ◇ ◇


 放課後になった。ミランと生徒会室に向かう。


「ブレンダさん……その、大丈夫だった?」

 人通りが少ないところになると、ミランは心配そうに眉を寄せた。

「ありがとうございます。……みなさん、何か言いたげではありましたが、問い詰められるようなことはありませんでした」

「……そう。それなら、良かった」


 ミランがほっとしたように微笑む。私は、ミランにもいつも何かしてもらってばかりだ。友人なのだから、私だってミランの力になりたいけれど。


 そんなことを考えていると、あっという間に生徒会室についた。


 生徒会室では、すでにクライヴやアレクシス殿下たちがいた。


 今日は、中間テストが終わったら行われる、体育祭についての話し合いだった。とんとん拍子に話し合いは進み、競技も決まった。


 片付けをしていると、アレクシス殿下に話しかけられる。

「ブレンダ」

「……はい」


「今朝は軽率に話しかけてすまなかった」


 アレクシス殿下も、私に人目のあるところで話しかけるのはよろしくないという認識があったことに、ほっとする。


「いいえ」


 それで、用件は終わりだろうか。そういえば、今朝何かいいかけていた気がする。

「それで……今朝、話したかった本題だが」


 アレクシス殿下は、私を見つめた。

「魔眼に惑わされるようなことは、なかった、だろうか?」

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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱり断りましたか。 でもねー、少しは人に頼ってもいいのよ? もちろんルドフィルの提案はアレですけど……。 依存するのと頼るのは違うというだけは言っておきますね。
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