キラキラ☆彡 女子高潜入大決戦!・7
影から放たれるのは圧倒的な闇のオーラ。
生き物の存在を拒絶する、負の塊。
ソレが抱き留めている気絶したデキリコの体すら闇の靄に沈んでいくように見える。
もし、抱き留めているのがただの人間なら、それだけで死んでしまったかもしれない。
うつろな目は赤々と燃える洞で、放ってすらいないであろう殺意に射すくめられ、脚が震える。
指先に力が入らない……息が止まる……
ま、まさかコイツが……
「闇の支配者! リ・ガ……!?」
『コイツにはまだやるべきことがあるのでな……』
闇の塊は震えるように声を残し、あっという間に消えてしまった。
ヤミ空間は、同時にかすれていく。
「はぁっ……はぁっ……!」
帰って……くれた?
そう、安堵すら浮かべてしまうほど、あまりに圧倒的な闇。
やっと戻った呼吸に、文字通り一息ついていたとき、もう既に潮が走り出していた。
「オレはあの女を追う! そっちはヤミニストにされてた子を頼む!」
潮はいつの間にか、変身を解いてあのコスプレした女性の方に向かっていく。
冷静に考えてみると何で追いかけてるのかはよくわからないけど、確かに怪しい。
潮が駆けていくとその女は走って逃げだしたし、本物の変質者かもしれないけど。
……なんにせよ、私がビビッている間に、潮はもう次の事を考えていた。
あんなバケモノを目の当たりにしていながら……!
何をやっているのよ、私!
潮の言うとおり、あの眼鏡の子のところに行こう。
私もちゃんとやるべきことをやらなくちゃ。
マジホワイトの力で一気に屋上まで駆けて行き、そこで変身を解除する。
シャボンはもうないが、眼鏡の子はまだ気絶していた。
気を失った人はヤミ空間が完全に消え去ると目を覚ますものだから、じきに気がつくだろう。
黒魔術部に入部希望者がいないことから闇に落ちてしまったみたいだけど、目を覚ましたらうちの学校のオカルト部を紹介してみよう。
気が合うかもしれない。
と――
「……っ!」
突然、背筋にざわつきを感じ、反射的に飛びのくと、そこに矢が突き立っていた。
「あーあ、外れちゃったか」
背後から聞こえた声は、背筋どころか全身を震わせた。
それはあの闇の支配者の影から受けた殺気よりもはるかに、私を絶望させた。
なぜなら――
「さっきぶり! 真白ちゃん!」
笑顔でクロスボウを構えていたのは、友達の小春だった。
いや、友達だと思っていたのは私だけだったのかもしれない。
「じゃあ、死んで」
彼女の前に浮かぶ太陽のタロットカードに照らされた彼女の笑みは、どこまでも凄絶だった――




