キラキラ☆彡 女子高潜入大決戦!・5
「また、邪魔しにきたノ。やっちゃうノ、ヤミニスト!」
デキリコのくねくねした指示で、一気にヤミニストが襲いかかってきた。
いつの間にか生み出していた箒を真横に薙ぎ払った。
「くうっ!」
狭い室内でかわせるはずもなく、教室の壁ごと外に吹き飛ばされる。
ウエハースのように長方形の壁が軽々と吹っ飛び宙を舞う。
窓ガラスが散乱し、本来であれば太陽の光を反射しそうなものだが、外は漆黒。
二階分の高さから落ちて、闇の中で砕け散る音が残響した。
その響きの中で私たちは校庭に着地。
箒の一撃はガードできている。
「大丈夫、まだやれる……そうでしょ?」
「ああ、あいつの攻撃は大したことはない」
潮もぴんぴんして拳を鳴らす。
なんというか、場慣れしてるのよね、彼。
喧嘩ざんまいの青春だったとかそんな感じなのかな。
とにかく、普段は抜けてるのに、戦闘時は頼りになる。
『ゲツヨウビナンテェェェェ!!』
ヤミニストが絶叫しつつ、二階から飛び込んできた。
「まずっ……!?」
その巨体を、かわし切れるか――
「ああああああああああああっ!!」
「えっ!?」
小屋ほどもある巨体のボディプレスを、潮はそのまま受け止めた!
信じられない。
いくらマジキュアだと言っても、どれくらいの力があるのか、まだ私たち自身もわかってないのだ。
それをあんな躊躇なく……
負けて、られない!
「行くよ!!」
逃げようとかがめていた体勢から、地面を這うように回転。
その回転力を脚力に転化、一気に蹴り上げる。
一輪挿しの花のように叩く掲げた脚をヤミニストの腹に突き刺し、そのまま回転。
「はああああああああああああっ!」
敵ごと宙に撃ち上がる。
『イヤアアアアアアアアアア!!』
空中でヤミニストが絶叫、口から大量の黒玉をばらまいた。
黒玉は蝙蝠に姿を変え、私たちに襲いかかる。
「くっ……!」
蝙蝠の鋭いキバが肌を浅く裂き、ダメージそのものよりも空中でたかられることで方向感覚を見失う。
「つぇああああああああああああああ!!」
瞬間、真下から裂帛の気合を込めた叫びが聞こえたかと思うと、炎の塊が突っ込んできた。
マジファイヤーのマジカル太陽フレア!
日輪の力を全開にして、全身に炎をまとってロケットのように飛びだしたのだ。
炎の勢いで、蝙蝠が爆ぜ散っていく。
「なら、私も! はあああああああああああああ!!」
蝙蝠が消えて出来たスペースで、太陽の輝きを全開にする。
「マジカルハイエナジーチャージドパーティクルズ!!」
バチバチと稲妻が体を駆け巡る。
超至近距離で発生した稲妻は、距離による色の減衰が無く、青に近い白の迸りとなった。
その白い稲妻を足から噴射、一方で拳にまとい、いまだ滞空しているヤミニストに突っ込んだ。
「荷電粒子パンチ!!」
拳が顔面にヒットするやいなや、激しい炸裂音が響き渡り、ヤミニストは吹っ飛んでいく。
「たたみかけるわ!」
「おう!」
空中で、潮と背中合わせに両手をつなぐ。
私たちの体を弓のように引き絞り、太陽の力を収束させる。
「マジカルサンフラウア!!!」
空中ながら、足元に巨大なひまわりが出現し、その種のつまった面が足場となる。
そして、私たちの体が花時計の針となり、直線状の敵を指し示す。
私の体に流れるマジカル荷電粒子の力により、潮の体を加速させるための力場が生まれていく。
「いっけえええええええええええええええっ!! マジカルレールガン!!!」
私を発射台として、潮が射出された。
潮は拳を引いた体勢のまま突撃、そして――
「サンシャイン崩拳!!」
神速で突き出された拳が、ヤミニストを吹き飛ばした。
文字とおり、吹き飛ばした。
砲弾が命中した家屋のように上下に千切れ飛んでしまったのだ。
もちろん、ヤミニストに変身してしまった女生徒は無事だ。
爆ぜ散ったヤミニストの中から、シャボン玉に包まれた少女がふわりと現れる。
私は、そのシャボン玉を手でそっと押し、校舎の屋上へ送り出す。
ほんとは抱きかかえて降りたいところだけど、まだヤミ空間も解除されていない。
デキリコを追撃しないと!
キッと視線を下に向けると、デキリコが逃げようとしていた。




