キラキラ☆彡 女子高潜入大決戦!・3
そこにいたのは、中学時代の親友、陽山小春だった。
私もそう背は高い方ではないけど、彼女は一回り小さくて小動物のような可愛らしさを感じる。このお嬢様学校でもひときわ目立つ、栗毛のショートカットが何より目を引く。
髪のブリーチが禁じられているこの女子高においても、その色が許されているのは先天的なものだから。
うん、お日様みたいで綺麗な色。
脱色ではないから、髪も全く傷んでおらず、近くで見るとつやつやと輝いている。
私は、彼女のこの髪の色が大好きだった。
今でも、たまにSNSで絡むくらいの緩い仲は続いているけれど、姿を見たのは久しぶりだ。
「やっぱり真白だ。どうしたの? あなた麻座利高校だったはず……でも、それウチの制服よね?」
「あ、う、うん……ええと……」
まずい。頭が回らない。
地元からそう遠くないここに、同じ中学の生徒がいるのは当たり前だ。
もっとそれを考えておくべきだった。
どうしよう? どうしよう?
何か言い訳――
「ああ、私たちは、麻座利高校の生徒ですよ。剣道部に話をしようと思って来たんですが、学校を通すと色々面倒でしょう? バレないように、制服を借りてこっそり来たんです。黙っていてくれると助かります」
潮は、さらさらとウソをつき始めた。
なにこの慣れた感じ!
「そ、そうなの……?」
「そ、そうなの」
思わずオウム返ししてしまう。
「私、あっちで剣道部をやっているんだけど、ちょっと稽古が物足りなくてさ……それでこっちの部長さんに出稽古の相談できないかなって……」
「……それはわからなくもないけど、制服まで用意するフツー……?」
「はは……関係者以外は追い返されるって聞いたもので」
「ま、それもそっか」
潮の説明に、小春は納得してくれたらしい。
そのまま別れる流れになったんだけど――
「あ、そうだ」
不意に小春が振り向いた。
「また会えるよね」
「うん」
小春のおひさまみたいな笑顔に、私は反射的に頷いた。
彼女はそのまま、小動物のような動きで去って行った。
「ごめん、お待たせ」
と、潮のほうを振り向くと――
「……」
「……」
固まっていた。
潮の目の前には、ボーイッシュな女生徒の姿。
身長は160センチくらいで、水泳かなにかのスポーツをしているのか、ちょっとがっちりめの体格。
そんなことよりも気になるのは、めちゃくちゃ美人だということ。
こんなの有名芸能人レベル……!
ミス金剛女子とか……?
でも……なんで潮と二人して固まってるんだろ?
「何かあった?」
「い、いや……なんでもない!」
「そ、そう! なんでもないんだ! なーんでも!」
二人して、過剰なぐらい否定してくる。
潮だけが否定するならまだわかるけど、何で相手まで?
……あやしい。
「あなたたち、知り合い?」
「ぜんぜん!」
「ぜんぜん!」
なにこの息の合いよう。
「し、知り合いに似てただけだよ」
「そ、そう、私も」
喋れば喋るほどあやしい。
「じゃ、じゃあ、ボクは用があるから!」
そう言って、美人さんは去って行った。
ボクっ子かあ……いい……。
「……まさかエニシのやつが……」
「ん? どうしたの?」
「いいや、何でもないってば。それよりヤミニストを探そうぜ」
露骨に話を変えようとしてくる。
……けど、そこまで話したくないっていうなら仕方ない。
ここは大人しく引いておこう。
……まさかあの人が彼女さん……なわけないか。
彼女だったら相手から女装を指摘されるよね。
そんなの修羅場という言葉でも生ぬるいだろうし。




