キラキラ☆彡 女子高潜入大決戦!・2
「それで調査ってどうするんだ?」
「そうだね。まずは普通に見回ってほしい。どこかで闇の力が増大しているはずなんだ。
この学校にヤミニストがいるのは間違いないし、ボクの尻尾にビリビリきてるからね」
ラビ太の尻尾がハリネズミのようにけばだっていた。
これは確かに、ヤミニストが近いときに起こる反応だ。
「闇の力の濃い所は、私たちが見ると真っ黒に歪んで見えるんだったよね?」
「うん。だからきっと、すぐに見つかるよ」
「少なくとも……外からは何も異常がなく見えるがな」
潮の言うとおり、今のところ変わったところは見えない。
やっぱり中に入ってみないといけないのだろう。
「とりあえずまだ登校時間じゃないし、朝練中の部活動から見て回りましょうか」
「そうだな。……頼む、そこで見つかってくれ」
祈り出す潮。
早く着替えたくて仕方ないらしい。
「それじゃ、ボクは一度、マジカルホルンに戻るよ」
一方のラビ太は相変わらず気楽な様子でスマホに戻って行った。
魔法世界の住人のラビ太はこっちの世界だと実体を長く保っていられない。
なのでマジカルホルンの中で、半分電子生命のような状態で待機していることが多い。
たいていは私のマジカルホルンに入っていて、潮のほうは無人になっている。
一方、その潮は早く解決したいのか、急に動き出した。
「あっちだよな? 体育館があるし」
「そうね。その隣に体育会系の部室棟もあったはず」
「よし、急いで行こう!」
「待って! そんな動きしたらスカート中が丸見えよ!」
こともあろうに、陸上選手のような極端な前傾姿勢で走り出す始末。
「え、ああ……!?」
顔を真っ赤にする潮。
……よかった。羞恥心はあるみたいで。
「もう、あんまり早く動くとスカートが翻っちゃうに決まってるでしょう?」
「そ、そうか……なんか、こんなに防御力がないものを、みんな履いてるんだよな……すごい……」
「どういう感心の仕方よ。いいから私についてきて。私のペースに合わせれば大丈夫だから」
「お、おう。頼む」
そうして部室棟に向かった私たちだったけど、異常は見当たらなかった。
流石に更衣室も兼ねている中に潮を入れるわけにはいかないので、彼には体育館のほうに回って貰った。
体育館からはバスケ部がキュキッとシューズの音を響かせているし、柔剣道場では竹刀を打ち込む音や受け身の音が響いている。
逆に言えば、私が調べている部室棟は、それらの音が丸聞こえになるくらい無音だった。
闇の気配以前に、人がいない。
どの部屋も無人だったし、みんな朝練をしているんだろう。
と、体育館の方を見て回っていた潮が戻ってきた。
「こっちは空振り。そっちはどう?」
「いや、こっちも特にはおかしな点はなかったな。闇どころか、健康的すぎるくらいだ」
「……まぁ、確かにね。ヤミニストが現れたのなら、みんな動けなくなってるはずだし、こっちじゃなさそうね」
「となると、教室か文科系の部室か、それとも職員室や理科室とかか……どっちにしろ校内だな」
始業時間が近くなってきて、どんどん生徒たちが登校してきている。
この流れなら中に入っても悪目立ちはしないだろう。
「よし、じゃあ行くよ」
潮を引き連れ、校舎内に入っていく。
下駄箱に上履きは無いから、コスメでこそっと靴を上履きに変身。
ひと筆……すごい。ずるい……べんり……すごくべんり……。
校内は、1階が1年、2階が2年、3階が3年生用とわかりやすい作りのようだ。
ひとまず、教室をのぞいて回ったけど、1年の教室に不審な点はなかった。
2階にあがろうか……と思ったその時――
「あれ? 真白じゃない?」
聞き覚えのある声がした。
振り向くべきじゃなかった。
潜入捜査してるんだから。
でも、その懐かしい声に、反射的に振り向いてしまっていた。
「小春……?」




