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ごちゃまぜヒーロー  作者: がっかり亭
ごちゃまぜヒロイン編
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29/58

トラック(転生ではない)

 こうして、マジキュアとなった私は、ヤミニストと戦った。


 ヤミニストは、負の想念から生まれる。

 それは存在するだけで周囲の人を極度に落ち込ませ、動けない状態にしてしまう上に、破壊活動まで行う。


 特徴としては、人々が月曜に向かいたくないという想念によって、日曜に生み出される事が多いこと。

 現代人……疲れてるんだなあ。


 今日も今日とて、日曜の早朝から近所の公園で、パワハラから生み出されたヤミニスト・パワハラーと戦った。

 ヤミニストは基本的には真っ黒なスライムのような姿ながら、基になる想念、つまり「人の心の闇」によって姿が変わる。


 パワハラーは、ふんぞりかえった権力者を模していて、ディテールはないけれど逆三角形の人型だった。


 そのバランスの悪い体形のせいか頭にパンチを当てたら、ひっくり返るように地面に叩きつけられ、すぐに倒すことができた。

 自分でも驚くほどのパワーが全身から拳へ伝わっていたこともある。


 さすが、拳闘魔法少女……。


 マジキュアの五体には浄化の力が備わっているので、攻撃することがそのまま浄化になる。

 心の闇は光の粒子となって消えてゆき、人々にも笑顔がもどっていく。


 だから、パワハラーを倒した私も、笑顔だった。

 マジキュアとして戦うようになってから、これまでに感じたことのない充足感を覚える。

 なんだか、欠けていたピースが埋まったような……そんな感じ。


 その高揚感で、私は完全に油断していた。


 信号が赤になっているのも気づかず、公園前の横断歩道に踏み出してしまっていたのだ。

 次の瞬間、大型トラックが突っ込んできているのが見えた。


 もちろん、変身はとっくに解いている。


 ああ、死んだな。

 痛くないと、いいけれど。


 そのときはひどく冷静にそう思い、目を閉じていた。

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