↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ごちゃまぜヒーロー  作者: がっかり亭
ごちゃまぜヒーロー編
PR
19/58

日々のかけら・3

「……冷静に思い返してみたら、あの時のエニシ怖かったな……」

「……うん、そうだね……」


 顛末(てんまつ)を思い出し、俯くオレとすもも。

 しばらく、げんなりした後、その状態がなんとなく楽しくなってきて、どちらからともなく笑い出していた。


 いずれにせよ、任務や訓練の合間の、いい気分転換になった。

 そのまま基地へ戻り、解散となった。


「また今度、買い物に付き合ってね」


 そう言うすももに、


「買い物? じゃあ次はエニシあたりも呼んで、荷物持ちを増やすか」


 と答えたら、何故か怒られた。

 楽をするなということだろうか。

 ともあれ、終わってみれば楽しい一日だったと思う。

 心地よい疲れが眠気を誘う。

 そうして一日が終わってゆく。


 ――後になって考えてみれば。


 この日曜日が、オレがゆっくり休みを取ることができた、最後の日だった。


 ※


 時間は少し戻り、同じく日曜の朝。


 朝日など差し込まぬ、ジャフウスイのアジト。

 その闇の一角に、古びたガス灯で照らされる場所があった。

 薄明かりの中、時代物のブラウン管のテレビが、映像を受信している。既に地デジ化は完了しており、いかな理由で受信できているのかは謎だ。

 そんなテレビの前に、あぐらをかいて座っているのがサゲール将軍であった。


「出撃もせず、何見てるのよ」


 その背に声をかけたのはチョベリバス。声には呆れの色がにじんでいる。


「フッ、見てわからんのか。にっくきゴリュウジャーどもの研究よ」


 そうして指し示した画面には、ゴ(・)ル(・)フ(・)の(・)中(・)継(・)が(・)映(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)。


「見よ。この動き、この道具……明らかにゴリュウボールに通じる」

「ん~……まぁ確かに」

「そうであろう。ワシはしばらく研究する。風(・)水(・)的(・)に(・)最(・)も(・)動(・)き(・)や(・)す(・)い(・)日(・)曜(・)早(・)朝(・)が(・)潰(・)れ(・)る(・)の(・)は(・)痛(・)い(・)が(・)、やむをえまい」


 胸を張ってふんぞり返るサゲール将軍。


「それよりお主は出んのか? 最近あまり出撃しておらんようだが」

「……最近、めっきりあの方に会えなくて……」

「は?」

「ああ……あのお方はいずこ? あのお方に会えないと、なんというかこう、やる気とかそういうのが出なくて、ごろごろしてしまっても、それは愛ゆえに仕方ないわよね……」


 陶酔した表情で呟くチョベリバス。

 その瞳は、あらぬ方向を見つめていた。


「……ま、まぁ好きにしろ……」


 げんなりしつつ、サゲール将軍にはゴルフ視聴に戻る。

 食い入るようにテレビを見つつ、駅のホームで傘を振り回すおじさんたちのように、愛刀ジャフウセイバーを振り回す将軍。


 風水帝国ジャフウスイ。

 人とは異なる理に生きるもの。


 今日も今日とて、彼らの理に従い、日々を消費するのであった――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。