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1. 聖皇の決断、狂信の徒と「消えた天災」の衝撃
西方の覇権を握る『エルシオン聖皇国』の最深部、大聖堂の謁見の間。
聖皇ウルリヒ五世は、目の前に並ぶ枢機卿たちから、迷いの森で発生した「大焔竜の消滅」の報告を受け、青ざめていた。彼らの諜報網もまた、テリーが敷いた「情報遮断カモフラージュ」を額面通りに受け取っていたのだ。
「……バルドゥール帝国が数十年恐れたあの古竜を、痕跡すら残さず消滅させたというのか。やはり、あの『テリー』という男は……王国の裏で糸を引く、当代の【魔王】に相違ない」
彼らにとって、テリーの「絶対に家から動かない(静観)」という姿勢は、「世界を裏から完璧にハッキングし、支配している絶対的な悪」に他ならなかった。帝国が武力で奪おうとするなら、聖皇国は『神の奇跡』をもってそれを滅ぼす。狂信に染まった聖皇は、机を叩いた。
「禁忌の術式を開放せよ。我が国に伝わる『異世界召喚』により、この世界に染まっていない純粋なる『神の兵器(勇者)』を呼び寄せるのだ!」




