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4. 激闘の火蓋、神速の演算と古竜の猛攻
「チッ……硬いな。面倒くさい……」
テリーが初めて不快そうに眉をひそめた。大焔竜の全身を覆う古代の金剛鱗は魔法そのものを無効化・分解する超高密度の魔力耐性を備えていたのだ。テリーが展開する重力コードが、竜の放つ拒絶のオーラによってパチパチと書き換えられ相殺されていく。
自由を取り戻した大焔竜は、怒り狂ってその口内に、太陽の表面温度に匹敵する「超高熱焔流」をチャージし、解き放った。
「グオォォォォォォッ!!」
直線上のすべてを分子レベルで消滅させる紅蓮の劫火がテリーへと迫る。テリーは空中へ幾何学的な魔導数式を高速で展開し、空間の座標をハッキングしてブレスの行き先を虚無へと【リダイレクト(転送)】しようと試みた。
しかし、ブレスのエネルギーがあまりにも巨大すぎるため展開した座標の壁が熱でメキメキと融解していく。
「くっ……!」
ブレスの余波がテリーのすぐ側を掠め、彼の黒いスウェットの袖がわずかに焦げた。
「人間にしてはやるな……だが、我が焔は世界をも焼き尽くす!」
大焔竜の意思が精神波となって響く。テリーは浮遊魔術で後方へ飛びながら、脳内で凄まじい速度の並列演算を開始した。ただ座ってゴロゴロしたい男が生き残るために人生最大級の頭脳労働を強いられていた。




