5. 第四の調査「弱みの探索、美少女たちとの歪な主従関係」
どれほど調査を進めても、テリーの戦闘力と開発能力が神の領域にあるという絶望的な事実しか集まらない。レイは焦っていた。
「どんな怪物にも、必ず『女』か『金』の弱みがあるはずだ」
潜入班は、テリーのセーフハウスの周辺から超高性能の遠隔集音魔導具を用いて住人たちの会話を盗聴することに成功した。リビングから聞こえてきたのは、元聖騎士エクレアの切迫した叫び声だった。
「ボス……! もう駄目です、私、これ以上は耐えられません! ボスの指示通りにハッキング(解体)を続け、あの硬いものを毎日擦り合わされ、全身がドロドロに疲弊して、もう騎士のプライドも何もかも、ボスの『もこもこ』に支配されてしまいました……!」
続いて、冷徹であるはずの風の精霊シルフィの艶めかしい声が響く。
「我が主……私も同じでございます。あなたのあの数式(ストレッチ構造)に触れて以来、私の身体はあなたの風(意思)なしでは、宙に浮くことすらできなくなってしまいました。この身のすべては、もうあなたの領域に捧げられております……」
それを聞いたテリーのダルそうな声。
「んー、お前らが満足したならそれでいいよ。じゃ、今日も一日、一歩も動かずにゴロゴロしようか」
盗聴器を握りしめるレイの手が、恐怖でガタガタと震えた。
「なんということだ……。あの高潔な聖騎士と、誇り高き神話の精霊が、テリーの圧倒的な魔力と謎の術式によって、完全に『精神調教』され、忠実な人形に変えられている……! 弱みを探るどころか、奴の周囲には完璧な狂信者の壁が築かれている。女を使ってのハニートラップなど、100%不可能だ……!」
(※実際は、ただラーメンを食って部屋着の着心地に感動しているだけの会話である)




