1. 部屋着(パーカー)への不満と、美少女たちの「戦闘服問題」
無事に究極の醤油豚骨ラーメンを完成させお腹も心も満たされたテリー。しかし、数日後リビングの「人をダメにするクッション」でゴロゴロと寝返りを打っていた彼の目は、またしてもスローライフにおける「致命的なシステムバグ」を発見してしまっていた。
「……なぁ、エクレア。お前、家の中にいる時くらいそのガチガチのインナー(騎士団支給の麻の肌着)脱いだら? 見てるこっちが肩凝るんだけど」
「えっ!? は、はい……ですがボス、これは聖騎士団の伝統的なアンダーウェアであり、いつ魔王軍の残党が襲撃してきても即座に鎧を着られるように……」
エクレアは、すっかりお馴染みとなったジャージ風の簡易的な服(テリーが以前適当に魔法で作ったもの)を羽織っているが、その下にはまだ硬くてゴワゴワした中世風の麻肌着を着用していた。隣で優雅に控えるシルフィも精霊としての正装である金糸や魔力石の装飾が散りばめられたひらひらと動きづらそうなドレスのままだ。
「駄目だ。我が家の第一規約は『徹底的なリラックス(怠惰)』だ。家の中でそんな機能性の低い、リラックスを拒絶するような服を着ているのは、規約違反であり、深刻なシステムエラーだ。前世にはな、着ているだけで人間を優しく駄目にする『スウェット』や『ジェ◯ート◯ケ』のような、極上の部屋着という高尚な文化があった。よし……シルフィ、エクレア。お前たちに、世界一快適で、最高に可愛い『究極の部屋着』を作ってやる」
「きゅ、究極の、へやぎ……ですか?」
不憫な元聖騎士は、テリーの「お洒落なニートを増やしたい」という謎の情熱に再びとんでもない規模で巻き込まれる予感に身震いするのだった。




