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はぐれ三人  作者: agdpm0w
第九話 人工天使
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67/68

8

スペアは檻の中で座り込んでいた。

何もない空間に、檻がぽつんと一つだけある。気がつくと、そんな場所に閉じ込められていたのだ。


真上に光源があるらしく、スペアの座っている場所だけが煌々と照らされている。だが檻の向こうはどこまでも暗く、何も見えない。


(もう一度試してみるか…)

スペアは立ち上がり、構えた。勢いをつけて足を振る。

ガァン!

檻はびくともしない。

(やはり駄目か。私の蹴りで傷一つつかないとは…ただの金属ではない。そもそもここまで何もない場所は異様だ)

つまり、と考える。

(魔法か…となれば、お手上げだな)


スペアは檻の中で仰向けになった。赤い巻き毛が白い床に広がる。

魔術の類はからきしだ。この空間と檻が魔法でできているなら、対抗する術がない。

(魔法は魂の力だとハイネが言っていた。機械人形の私には、魂はないということなのだろうな…)

唇を噛んだ。

(ハイネや赤ん坊はどうなってしまったんだ? 助けにいかなくてはならないのに)


おそらく檻を作ったのはあの黒服の者たちだろう。赤ん坊を連れていこうとしていた。

(一体何が目的だ? あの子が救世主と呼ばれていたことと関係があるのか。そもそも救世主の意味も聞けていないが…それに、私を閉じ込めた意図も読めない…)

ここに閉じ込められてしばらく経つものの、危害を加えられることはなかった。時折バチバチッと音がして火花のようなものが降ってくるが、どれも檻に届く前に消えてしまう。


(そうだ、あのとき…)

ふと思い出し、握りしめたままになっていた拳を開いた。

赤ん坊に渡されたもの。折りたたまれた紙だった。

(一体何を…)


指先で開くと、そこには黒い文字が並んでいた。

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