Act.17 再会
——ヴァイスに会えた!
それだけでなく、アマカゼはどんなに試しても叶わなかったエーテル体にもなれている。
それはつまり、魔法少年になれるということだ。
『アマカゼ、アマカゼ、会いたかった!』
『俺も……!』
多くの言葉は必要ない。
お互いのエーテルが触れ合えば、思考だけで交流することができる。
(ヴァイス……大変だったんだな。いや、今もか)
雪崩れこんでくるヴァイスの記憶に、アマカゼは胸を痛めた。それはむこうも同じようで、どこか寂しげな響きが金属の身体から聞こえた。
(でも、哀しみだけじゃない!)
哀しみがあるからこそ、こうしてヴァイスが生きて、ここにいることが嬉しい。この喜びを真っ直ぐにヴァイスにむけて届ける。
触れ合いをほどき、アマカゼは気になることを聞いてみることにした。
『ヴァイス、内宇宙の守護神、マザードラゴンはどうしたんだ?』
マザードラゴンとは、地球の核のまわりを巡る霊的なエネルギーだ。御伽話にでてくる龍の容貌に似ていて、意思もある。母なる大地の穢れたエネルギーを浄化している聖なる存在だ。
マザードラゴンがいるおかげで、異星人の悪意のある目醒めの周波数が内宇宙に及ばないよう、シールドのような役割を果たしている。
『マザードラゴンはそろそろ代替わりになるらしい』
『代替わり?』
『子供がうまれたんだ』
『えっ、マザードラゴンに?』
頷くヴァイス。
びっくりだ。
エネルギー体でも子供はつくれるのか。
『ということは、子育て中!?』
『まあ、そういうことになるね。地球に生まれた新しい純粋なエネルギーが穢れないよう、マザードラゴンは必死で守ってる。おかげで僕の世界では天変地異が続いてるんだけどね』
『だからヴァイスの星の住人は、他の星に移住をはじめたのか』
これも、さきほどの記憶で得た情報だ。
——ヴァイスの星。
金属の肉体をもつ人類が住む星だ。
アンドロイドと違うのは、魂と心が内在し、寿命があるという点だろう。
内宇宙には他にもさまざまな星があり、環境に適応した高度な文明を築きあげていた。
『うん。けれどもう少しの辛抱だ。マザードラゴンが代替わりして安定すればきっと良くなる。それまで耐え忍べば……』
『そっか』
『アマカゼのおかげさ』
『俺? なにもしてないぞ』
『いや、アマカゼの想念は確かにマザードラゴンに活力を与えた』
『よく分からない』
『ははっ、きみは本当に変わらないな』
見た目は変わっても、ヴァイスこそなにも変わらないと思う。今はただ覚悟というか、決意みたいなものを強く感じるのだ。
『アマカゼ、僕は……きみとともに戦うよ。僕らの文明はもうすぐ終わる。だけど、何もせずに朽ちていくのは嫌だ。最期はきみと一緒に戦えたら本望だ』
『そんな、諦めるなよ!』
何が手立てはないのか?
どうけれど、ヴァイスは微笑みながら首を振るだけだった。




