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転生したら悪役令嬢でしたが、慈愛の聖女として世界平和を目指します  作者: 目黒市
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 カタカナ表記だったり、年号が違うのはあくまでこれがフィクションであることを強調するためです。

 平成十年四月五日午後十八時七分。

 百葉総合病院でニシザキ夫妻は第一子である長女を出産した。

 夫妻はその子供にミヤコと名付けた。

 それがあのニシザキミヤコだ。


 平成三十七年六月四日午前七時。

 東京都千代田区丸の内一丁目。

 地図から駅がひとつ消えた。死傷者数二万人。爆発物を身に着けた六人の男女による自爆テロ。その直後、首謀者であるニシザキミヤコの犯行声明がSNS、テレビ局、出版社に同時送信された。


 同年七月二日。

 宮崎県児湯郡にてニシザキミヤコの身柄を確保。


 同年九月。

 ニシザキミヤコの死刑が執行された。


 ニシザキミヤコという人物は謎に包まれている。

 彼女は所謂宗教二世であり、彼女の両親は『しゅかいきゅうぐの会』という団体に所属していた。

 現在その団体は存在していない。

 ニシザキミヤコ三歳時、団体に対して未成年信者の拉致監禁疑惑がかけられ、カトウダンゾウ代表が逮捕。そのまま『しゅかいきゅうぐの会』は解散となった。

 ニシザキ夫妻はそれから四年後に離婚。

 ミヤコは父親に引き取られた。

 それから約十年間、ミヤコの足跡は完全に謎である。

 父親とミヤコがどのように生活をしていたのかは未だに謎のままだ。

 

 平成二十八年九月一日。

 ミヤコの父親は埼玉県内の病院で死亡。

 死因は肺癌だった。

 

 父の死後、ミヤコは埼玉県川越市内の団地で約五年ほど生活している。

 この団地に関してはご存知の方も多いかと思う。当時ワイドショーを騒がせた『宗教団地』の一つである。

 当時を知らない人に説明をすると、全国各地で小規模の新興宗教団体が高齢化によって住民がいなくなった団地を棟ごと買取、そこで信者たちで共同生活を送るという流れがあった。

 その中でもY県の『三角神言教』団地。M県の『かるまのハレ』団地などは有名だった。

 ミヤコが住んでいた団地もそんな宗教団地のひとつであった。

 スズキタカハルを教祖とする五十人規模の小さな団体『アークの船員会』である。しかしミヤコがこの団体に加入していたかどうかは不明。


 平成三十三年。

 近隣住民からの苦情により、市役所が動き団地の訪問が行われる。

 スズキタカハル及び、数名の会員が団地内の一室で死亡しているのを発見。事件性はなく、遺書も発見され自死として片付けられる。

 この件により、住民の間で排斥運動が過熱。信者たちは散り散りとなった。


 平成三十五年。

 ニシザキミヤコを教祖とした『顕界救世ノ会』発足。

 新潟県内にてミヤコを中心とした元『アークの船員会』のメンバーによる共同生活が始まる。


 平成三十七年六月。

 ミヤコの指示により『顕界救世ノ会』のメンバーによる自爆テロが都内の駅で行われた。

 七月。

 宮崎県内にてミヤコは児湯郡の博物館内で逮捕された。


 以上がニシザキミヤコについて分かっている全てだ。

 ミヤコは両親の離婚後、父親と日本各地を転々としていたようで学校に通学した記録がない。さらには病院の通院歴も存在していない。

 しかし『アークの船員会』でミヤコと交流があった人によると、彼女は博識でありとても未就学であったとは思えなかった、と語っていた。

 おそらくは父親により教育を受けていたものと思われる。

 ミヤコは人と関わりを持つことがなく、先の『アークの船員会』でも彼女と親しくしていた人はいなかったらしい。

 しかし、ミヤコには不思議な、それこそカリスマ性とでも言うべき何かが備わっていたらしく、少しでも彼女と関わったことのある人々はミヤコのことを強く印象に残っている、と証言している。


 結局、『顕界救世ノ会』のメンバーは全員が死亡。誰とも深い関わりを持たなかったミヤコがどうしてこのような団体を作ったのか? この団体の目的は何だったのか? それらは全てが謎のままだ。


 逮捕されたミヤコは警察の取り調べに対してすべての罪を認めた。そもそも各メディアに送られた動画に於いて声明を出しているので疑いようはない。

 けれど犯行の理由については語らなかった。

 警察の調べに対してもただ黙って微笑むだけだった。

 

 彼女の顔写真が公開されると、ネット上では美女テロリストとバズる。

 動画配信者やニュースコメンテーターの芸人が「ミヤコ様めっちゃ美人やん。付き合いたいわぁ〜」などと言って炎上するなどの出来事もあった。


 平成という年号も終わり、この記事を執筆している現在、新たな年号となって久しい。

 丸の内一丁目。かつて観光名所としても有名だった駅の跡地には石碑が建てられている。

 犠牲となった人々。

 そこには私の娘の名前も刻まれている。

 どこにでもいる普通の子だった。

 どこにでもいる私の特別なたったひとりの娘だった。

 ニシザキミヤコがどんな人物かはわからない。

 けれど彼女の行いは許されざる行為であり、この事件もまた風化させてはいけない。 

 

 読んでいただきありがとうございます

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― 新着の感想 ―
Xから来ました。まさかこんな展開になるとは思っていなかったので驚かされました。これからどんな展開になるのか楽しみです。ブックマークして続きの話が投稿されるのを待ってます! あと評価★で応援させてもらい…
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