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転生したら悪役令嬢でしたが、慈愛の聖女として世界平和を目指します  作者: 目黒市
三章 王子アスラン

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 2話連続で投稿しています。

「君は獣人の奴隷を買ったのですか? 禁止されていないとは言え、僕は軽蔑すべきことと思っています」


 思わず言葉に険が出てしまう。

 しかしレアはそんな僕の態度をまったく意に介さない。


「えぇ、私も同感です」

「はぁ?」

「アスラン様が同じ思想を持っている方で安心しました」

「試したのですか?」

「どうでしょう。事実は述べています。獣人の奴隷を買ったのは事実です。ザジ」


 レアの背後から少年が姿を出した。

 犬、いいえ狼でしょうか。僕やレアと同い年くらいの狼獣人の少年。

 ザジ、というのが彼の名前なのだろうか。


「よろしいでしょうかアスラン様?」


 僕は頷きで返答した。


「こちらはザジ。世間で言う獣人奴隷として私が購入した者です。ザジ、挨拶を」

「ザジだ。お前がどのようなヒトだろうと関係ない。レアに危害を加えるならば俺が排除する」

「なっ⁉」


 言い終えるとザジは口を閉じて、レアの背後に下がってしまった。


「アスラン様、どうかご容赦くださいね。なにせザジは国民ではないのですから、礼儀をわきまえる必要はないですよね」

「そ、それは」

「そしてザジは亜人です。星光神教でも亜人はヒトではないのですから、私たちの理に則る必要はありません」


 それは確かにそうだ。

 

「けれど、礼儀というものがあると思いますよ。立場、種族関係なく」

「ふふっ、それは正論です。ザジももう少しがんばりましょうね」

「……レアが言うのならわかった、です」

「どうやら、奴隷として購入したわけじゃないみたいですね?」


 ザジの態度を許容するレア。そしてそんなレアを見るザジの目には、主人と奴隷という立場以上の何かがあるようだ。


「色々あったんです」


 そう言ってレアはザジとの出会いを語ってくれた。

 その話を聞いて僕は安堵を感じていた。そんな僕の様子を見たレアも安堵したような笑みを浮かべる。


「アスラン様が私の想像通りの方でよかったです」

「想像通り? レアは僕をどんな風に思っていたのか気になりますね」

「えぇ、お優しい方、と」

「僕が?」

「はい。とてもお優しい方です。そして王には向かない方ですね」

「ははっ、それは僕が一番心得ています」

 

 うん。

 今回の婚約はとてもいいものになりそうだ。


「嬉しそうですね、アスラン様」

「そうですね。あなたも優しい人だと知れて良かった」


 僕は彼女の後ろに控えるザジへ視線を向ける。

 

「それは良かったです。ふふっ、私もアスラン様と同じなんです。だって差別なんて必要ないみんな等しく同じ命なんですもの」

 読んでいただきありがとうございます。

 次の話も連続投稿していますのでよければこのまま読んでいただけると嬉しいです。

 ↓評価、登録いただけると嬉しいです。それではまた次回も読んでいただけると嬉しいです。

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