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37: 日本へ出発する

名古屋郊外という手がかりを握り、承勲・在俊・そして論山訓練所で出会った朴世勲の三人が日本へ向かう。「できることがあればやるべきでしょう」——朴世勲の言葉はシンプルだった。しかしその目的はいつも通り一つだった。趙東赫の名前を、法廷へ。「長い間待たせた。もう少し」——搭乗口へ向かう承勲の心に刻まれた言葉が、5年間のすべてを引き受けていた。

第37話

日本へ出発する


2024年6月。

ソウル。

承勲は机に座って書類を見ていた。

起訴意見書。鄭成浩の公証陳述書。手紙の筆跡鑑定結果。

在俊から送られたメッセージが来た。

名古屋の方を確認した。名古屋郊外にドイツ系移民の村がある。そこに古いコミュニティがあって、その中に韓鍾洙と繋がれる人脈があるという情報が出た。

承勲はそのメッセージを読んでしばらく窓の外を見た。

名古屋。

36話で在俊が初めて口にした名前だった。

ハチマンの家の財団が神戸にある。そして韓鍾洙が日本に古い繋がりがあるなら。

承勲は返信を送った。

もっと具体的な情報がある?

カン・ドユンの方から流れてきたんだ。正確じゃないけど、確認する価値はある。

承勲はスマートフォンを置いてしばらく考えた。

カン・ドユン。韓鍾洙の弁護人。彼がこの情報を流したということがおかしかった。意図的なものなのか、そうでないのか知らなかった。

しかし手がかりは手がかりだった。


その夜。

承勲は英勲に電話をかけた。

「お父さん。」

「うん。」

「名古屋の方に祖父に関する情報が出ました。」

しばらく沈黙が流れた。

「どこから。」

「カン・ドユンさんの方から流れてきたんです。意図があるのかどうかわかりません。」

英勲はしばらく黙ってから言った。

「お前の好きなようにしろ。」

「大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ。韓鍾洙会長の罪は消せない。お前が行かないといけないなら行かないといけない。」

承勲はその言葉を聞きながらしばらく目を閉じた。

「ありがとうございます。」


翌日の午前。

事務所の扉が開いた。

見知らぬ青年が入ってきた。

短い髪。がっしりとした体格。眼差しが鋭かった。

承勲はその顔を見てしばらく止まった。

「朴世勲。」

「こんにちは。」

論山訓練所で初めて会ったあの顔だった。退所式の日に連絡先を交換した人物。

「どうしてここへ。」

朴世勲は席につきながら言った。

「除隊後に用事があってアメリカに少しいました。帰国後に就職を探していて道峰グループの公開採用に志願したんです。」

「道峰グループに?」

「はい。合格しました。」

承勲は彼を見た。

「なぜよりによって道峰グループなんだ。」

朴世勲はしばらく考えてから言った。

「訓練所のときから韓承勲という人が何をしているか知っていました。ニュースでも見て。だから気になって。」

「気になって入社したの?」

「直接見たかったんです。」

承勲はしばらく彼を見てから言った。

「それで。用件は何だ。」

朴世勲は承勲を正面から見ながら言った。

「日本に行くという話を聞きました。」

承勲の眉が微かに動いた。

「どうして知ってるんだ。」

「会社の中で回っている話があります。名古屋の方へ動くって。」

承勲はしばらく黙った。

情報が漏れている。

それ自体が問題だった。しかし今すぐそれより大切なことがあった。

「それで?」

「一緒に行きたいです。」

承勲はその言葉を聞いてしばらく朴世勲を見つめた。

論山訓練所で初めて自分が負けた相手。射撃も、走りも、個人戦闘も。しかし退所式の日に「負けることも学ぶことだ」と言っていた人。

「理由は何だ。」

「単純です。できることがあればやるべきでしょう。」

承勲はしばらく考えた。

「危ないかもしれない。」

「わかってます。」

「法的手続きの中で動くんだ。直接接触や物理的な衝突はない。」

「わかりました。」

承勲は書類を閉じながら言った。

「在俊に話しないといけない。」

「わかりました。」


その日の午後。

在俊に電話をかけた。

「朴世勲が来た。」

「誰?」

「訓練所のとき俺より上だった友達。今道峰グループの新入社員だ。」

在俊はしばらく黙ってから言った。

「一緒に行くってこと?」

「うん。」

「どう思う?」

「悪くない。現場で動きが必要なときに助けになれる。」

在俊が言った。

「じゃあ連れていこう。でも役割分担が明確にならないといけない。」

「うん。法的手続きは俺たちが。現場確認は世勲が。」

「わかった。」


出発数日前。

采恩が夕食を食べに来た。

承勲が日本に行くという話を聞いていたのか言った。

「気をつけて。」

「うん。」

「いつ帰ってくる?」

「わからない。一週間から十日くらい。」

采恩はしばらく黙ってから聞いた。

「祖父を見つけたらどうするの。」

「法的に召喚手続きを踏む。直接手を出すんじゃなく、法廷へ引き出すんだ。」

采恩は頷いた。

「わかった。」

「心配しないで。」

采恩はしばらく彼を見てから言った。

「心配しないでって言ったらもっと心配になるのわかってるよね。」

承勲は短く笑った。

久しぶりの笑顔だった。


出発前日の夜。

承勲は机の前に一人で座っていた。

ノートを広げた。

韓鍾洙。名古屋郊外。ドイツ系移民の村。カン・ドユンの情報。

目的:所在確認。法的召喚手続き開始。

その下に。

鄭成浩さんの言葉:「あの子は何の罪もなかった」。

呉美子さんの言葉:「61年前、何の罪もなく」。

そしてその下に。

趙東赫。

その名前を長い間見つめた。

2019年、ハチマンの家で初めてその名前が書かれた書類を見たときが浮かんだ。

あのときから今まで。

5年。

法学部への復学。卒業。ロースクール。弁護士。大阪。鄭成浩。公証陳述書。

そして今、名古屋。

まだ終わっていなかった。

しかし今、終わりが見え始めていた。

承勲はノートを閉じた。

明日になれば飛行機に乗る。

在俊と朴世勲と一緒に。

祖父がそこにいるなら。

法廷に立てる。

その誓いが静かに、深く刻まれた。


翌朝。

空港。

三人が集まった。

在俊が搭乗券を確認しながら言った。

「名古屋直行。二時間半。」

朴世勲は無言でリュックを背負い直した。

承勲は搭乗口を見つめた。

韓鍾洙がそこにいるかもしれないし、いないかもしれない。

でも確認しないといけない。

在俊が言った。

「行こう。」

三人は搭乗口へ歩いていった。

承勲は歩きながら窓の外をちらっと見た。

ソウルの朝の空が高く青かった。

趙東赫。

長い間待たせた。

もう少し。

その言葉が静かに、心の中に刻まれた。

飛行機が滑走路を走り始めた。


一方、名古屋郊外。

小さな町の一つの建物の中。

韓鍾洙は窓際の椅子に座っていた。

体がかなり弱っていた。歩みが遅くなり、よく疲れた。

カン・ドユンから連絡が来た。

「承勲さんが名古屋へ来るという情報があります。」

韓鍾洙はその言葉を聞いてしばらく黙っていた。

来たんだ。

その考えが静かに浮かんだ。

怖くなかった。いや、怖くないといえば嘘だった。

しかし同時に、別の感情もあった。

あの子がここまで来た。

窓の外に名古屋の春の陽光が降り注いでいた。

韓鍾洙は長い間その陽光を見つめた。

承勲。

お前は結局諦めなかったんだな。

その考えが怖くもあり、不思議と別の何かも混ざっていた。

依然としてその二つの感情が同時にあった。

説明できない感情だった。

第37話を読んでくださり、ありがとうございます。承勲・在俊・朴世勲の三人が揃う場面を書きました。論山訓練所で初めて承勲が負けた相手、朴世勲。「直接見たかった」というその一言に、この人物の静かな誠実さが滲んでいます。そして名古屋で陽光を見つめる韓鍾洙の「お前は結局諦めなかったんだな」——説明できない感情の正体は、次話で明らかになります。次話もよろしくお願いします。

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