11: 天才高校生のデビュー
入学式、初めての休み時間、そして屋上での対峙——承勲の高校生活が本格的に動き出す。全科目97点を叩き出しながらも一人で給食を食べる天才。胸ぐらを掴まれても目を逸らさなかったジュンソ。弱点を先に突きつけて従わせようとする李賛赫。「おもしろいやつだな」「先輩が動生にやっている方法と変わりませんね」——二人の頭脳戦の幕が静かに、しかし確かに上がった。
第11話
天才高校生のデビュー
「昨年、本校は医学部○○名、ソウル大学○○名を輩出しました。新入生の皆さん、水原外高の一員であることに誇りを持って、これからの3年間、一生懸命勉強してください。」
校長の挨拶が終わると、韓承勲はじっと拍手をした。みんなと同じように。少し遅くも、少し早くもなく。
学校が大学のための機械だというのはどの国でも同じだな。ただここではそれを誇りにしているところが違う。
IQ167。高校3年生レベルの模擬試験を全科目1等級で解いた彼にとって、この入学式は観察すべきものに満ちた舞台だった。彼はゆっくりと教室の中を見渡した。席の配置、視線の向き、誰が誰の顔色を窺っているか。
自己紹介の番が回ってきた。
「韓承勲です。」
それだけだった。短く、乾いた言葉で。席についてから彼は再び窓の外へと視線を移した。
休み時間、後ろの席から誰かが近づいてきた。
「おい、よう。」
顔を向けると、髪を半分ほど脱色した学生が立っていた。制服のボタンが二つ外れていて、スニーカーの紐はぐちゃぐちゃだった。一目見てもこの学校の公式的なフォーマットとはかけ離れた人物だった。
「……そうだな。」
承勲は短く答えて顔を背けた。しかしその学生は特に傷ついた様子もなく、隣の机に腰かけた。
「俺、キム・ジュンソ。お前、オーストラリアから来たんだろ?あっちの天気、マジで良くない?」
承勲は答えなかった。するとジュンソはしばらく承勲の顔をじっと見てから、フッと笑って言った。
「わかった、話したくないならいいよ。でもこの学校の給食は本当にまずいから、それだけ先に教えとくわ。」
そしてチャイムが鳴るなり立ち上がって教室を出ていった。何でもないかのように。
変なやつだな。
承勲はその後ろ姿をしばらく見つめた。この学校でこんなに無防備な人間は初めてだった。
生徒会室。
廊下を通りかかった承勲の足が止まった。半開きのドアの向こうから声が流れ出していた。
「兄ちゃん……ごめん。ここじゃ問題起こさないで大人しく生きるよ。本当だよ。」
ジュンソだった。その前には端正な制服に真っ直ぐな姿勢の2年の先輩が立っていた。生徒会長、李賛赫。彼の眼差しは書類を一枚持ち上げる手と同じくらい冷たかった。
「お前の入学診断評価の点数。全科目14点。」
ジュンソの顔が赤くなった。
「兄ちゃん、それでも——」
「これからこの生徒会室の近くをうろちょろするな。この学校でお前の味方はいないと思え。」
ジュンソは諦めなかった。むしろ一歩踏み出して言った。
「それでも……俺には兄ちゃんしかいないじゃないか。家族じゃないか。」
賛赫の瞳が細くなった。彼はゆっくりと机を回ってジュンソの胸ぐらを掴んだ。壁に押しつけられたジュンソはひるんだが、逃げなかった。目も逸らさなかった。
「これから学校で会っても知らんぷりしろ。話しかけるな。『李賛赫が兄貴だ』——その言葉が誰かの耳に入った瞬間、お前はこの学校で存在しない人間になるぞ。」
ジュンソは結局何も言えず、うなだれたままゆっくりと背を向けた。
承勲は廊下の端でその場面を見ていた。
目元が赤くなりながらとぼとぼと歩いてくるジュンソ。彼を見送ることもなく扉を閉める賛赫。
胸ぐらを掴まれても目を逸らさなかった。
承勲の視線がジュンソの後ろ姿を静かに追った。逃げない人間。この学校で初めて見る種類だった。
しばらくして、賛赫が扉を開けて出てきたところで承勲と目が合った。
「先輩、やりすぎじゃないですか?それでも弟じゃないですか。」
賛赫の足が止まった。ゆっくりと振り返る彼の顔には不快感が露わだった。
「お前には関係ない話だ。余計に絡まれるな。」
冷笑の混じった声。続く警告。
「それと一つ忠告しておく。この学校で3年間ちゃんと過ごしたいなら……俺の弟と俺の間のことを、どこかで口に出すな。」
その言葉だけ残して賛赫は扉を閉めた。
カチッ。
承勲はその扉をしばらく見つめてからつぶやいた。
「李賛赫……本当に典型的だな。」
昼食時間が始まろうとしていた頃だった。教室の扉が開いて一人の女子生徒が入ってきた。長いストレートヘア、端正な制服。しかし眼差しのどこかに計算されたものが宿っていた。
「あらら~ あなたが今回入学したっていう韓承勲?」
チェ・ユンソ。4組所属だが、廊下でもう何度か目についていた顔だった。
「……そうだな。」
承勲は淡々と答えた。ユンソは気にせず机の横にぴったりと座りながらスマートフォンを取り出した。
「番号交換しない?一緒にいれば悪くないと思うよ。」
承勲は答えなかった。ユンソはしばらく彼の表情を窺ってから、声を低めて言葉を続けた。
「でも……さっきジュンソと話してるの見たよ。それはちょっとどうかと思うんだけど。」
承勲の視線が彼女に向いた。
「あいつ、2年の李賛赫会長の唯一の欠点で弱点なのよ。中学のとき喫煙、喧嘩で何度も謹慎処分。入学診断評価は全科目合わせて14点。」
彼女の言い方は事実を伝えているふりをしていたが、その中に含まれていたのは嘲りに近いものだった。
「見込みなさそうじゃない?そんな子と絡んだらあなたも面倒なことになるよ。会長が嫌いな人間なんだから。」
承勲はしばらく黙った。窓の外を風が通り過ぎた。
「診断評価の点数がすべてじゃないと思うけど。」
ユンソは眉をひそめた。そして無理に笑いながら言った。
「承勲はまだこの学校を知らないからよ。ここでは点数が、背景が人のすべてなの。」
承勲はその言葉を静かに流した。彼の瞳の中で静かに何かが固まっていた。
胸ぐらを掴まれても逃げなかったやつ。そいつがなぜあんなふうに評価されないといけないんだ。
最初の中間テスト。全科目平均97点。
成績表が出た日、教室の雰囲気が変わった。朝は目も合わせなかった子たちが近づいてきて話しかけた。昼食時は隣の席が埋まった。先生たちの視線が変わり、職員室では「ソウル大は余裕だな」という言葉が飛び交った。
承勲はそのすべてを無表情で受け止めた。
朝は存在しなかったのに、数字一つで変わる人たち。
彼は一人で給食を食べた。周囲のざわめきの中で、食盤の上のご飯が冷めていく間、静かに教室を目で一周した。誰が誰の成績を探っているか。誰が誰を貶めて安心しているか。
この構造の中でジュンソみたいな子は最初から負けるようになっている。
放課後、屋上。
李賛赫が待っていた。彼の手には紙が一枚握られていた。承勲の学生簿だった。
「オーストラリアでかなり独立心旺盛に育ったんだな。二重国籍の問題もあるし。調べれば出てくるものがある。」
承勲は眉一つ動かさなかった。
賛赫は紙を置いて言った。
「俺のために動いてみろ。お前くらいなら価値がある。一緒に動けば推薦入試でも一般入試でもできないことはない。」
しばしの沈黙。
「それが先輩の言う情ですか?」
賛赫の微笑みが微かに揺れた。承勲は続けた。
「提案のように包んでいますが、順序を見ると違いますよね。弱点が先で、チャンスは後。相手が断りにくくなるようにしておいて、選択権を与えるふりをしている。先輩が弟にやっている方法と変わりませんね。」
静寂。
賛赫はゆっくりと口角を上げた。笑いだった。怒りを堪えているのではなく、何かを確認した人の笑いだった。
「おもしろいやつだな。」
彼は紙を再び拾い上げながら背を向けた。
「これからが楽しみだ、韓承勲。」
承勲は答えなかった。ただその後ろ姿を見つめるだけだった。手の中で紙がゆっくりと握りつぶされる音だけが屋上の風の中に流れた。
互いを向けた戦場はすでに開いていた。まだ誰も最初の一手を打っていないまま。
第11話を読んでくださり、ありがとうございます。承勲と賛赫、二人の初めての直接対決を書きました。承勲が賛赫の手口を一言で見抜く場面——「提案のように包んでいますが、順序を見ると違いますよね」——この一言にすべてを込めました。そしてジュンソという存在が、この物語においてどんな意味を持つのか、ぜひ次話以降も見届けてください。




