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追求のドンカイ  作者: 夕闇
第1章 「起」
8/10

魔力

視界が真っ暗だ。今どうなった、分からない。でも全身に痛みが走っている。言葉で言われなくても、体は理解している。きっと全身重度のやけどだ。


「まだ試したいこといっぱいあるのに、、、」


この言葉を最後に気を失った




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「・・・おい、そいつをどうするつもりじゃ。」


老婆がおじさんに話しかける。


「別に取って食ったりはしないさ。」


「そういうことを聞いてるんじゃない、なんのために力を与える!答えろマーク!」


おじいさんの方も声を張って話に割り込んできた。


「決まっているだろう。」


「本当に()()ができるとでも思っているのか!」


「ああ当然だ。そのためだけに俺はここにいる。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ーーーぐぅ、、、はっ!」


目を覚ますと老婆に膝枕されていた。


「ぎゃぁあーーー!!」


俺は全身をひねり老婆の膝から飛び起きた。心臓がバクバクしている。これは、もしかして、、、、、恋?じゃないじゃないじゃない、、、

俺は心の中で何度もつぶやきながら状況を整理する。

・・・魔力を出そうとして、爆発が起きて、それに巻き込まれて気絶したはず、、、


「よぉ、起きたか。」


声の主をたどると、おじさんが立っていた。


「今何が起こっ、むぐぅ、」


聞こうとしたら口をふさがれた。


「まあ落ち着け、俺は質問に答えない。お前さん自身でどうにかして欲しいからだ。だから、俺には聞いてくるな。」


そんなこと言われたってなにも分からない。逆にこの状況で何が分かるというのだろうか、、、






無駄な思考を30分ほどしていると、不意に、


「困っとるようじゃのう、儂が教えてやらんこともない。」


!! おじいさんが話しかけてきた。この人もさっきの婆さんもそうだが、急に俺のことを気にかけてきて、確かにさっきの爆発は嫌でも目についたとは思うが、、、

ていうかこのまま話を聞いてもいいのか?これきいたらおじさんが教えなくなるとかないよな?

俺はおじさんの方をちらっと見る。おじさんは目をつむっていた。ならこの人に協力してもらうのは良いのか?それなら、


「お願いします。」


「なら代わりに一つお願いをしよう。」


「なんでしょうか?」


「それは後で言う。それでもいいなら教えてやろう。」


・・・後で、か、少し危ない取引だが受けるしかない。


「分かった、教えてくれ。」


「お主が起こした爆発は暴走(ストリーム)と言う。魔力を制御できずに暴発して起こる現象じゃ。魔法を初めて使うときによくあることじゃ。しかし少しばかり爆発がでかすぎる。お主は魔力の量が多いのかもしれん。絶対にもう起こすんじゃないぞ。」


「そんなこと言われても俺にはどうしようも、、、」


「いいか小僧、力は放つものではない、溜めて消費するものだ。それだけを意識してやってみろ。」


溜めて、消費?つまり力は出して使う訳じゃないのか?消費ってなんだ?どこでどうやって消費するんだ?

これだけの情報じゃまだ分からないことが多すぎる。でも試せばなんか分かるだろ。運のいいことに、ここは死んでも死ねない部屋。また爆発してもじいさんたちに怒られるだけで済むだろうし、やってやらあ!

爺さんの助言で俄然、やる気が出てきた。

まずはさっきの反省からだ。さっきはとにかく全身に力を込めて、それを手のひらに送るイメージでやっていた。しかし放出から消費にするには、、、


1,力の集中を体内のど真ん中に向けて行う


2,全身に力を入れたままをキープする


3,もっと別の方法がある


どれにせよ試すことから始めよう。まずは1だ。力を入れ始める。さっきみたく頭のてっぺんから足の指先まで力を込める。今度はストリームしないようにここら辺で力を、抑える!

そのまま力を体の中心に、集めて、もっと抑えて、中心に、、集める!


「詠唱を始めろ!」


おじいさんが指示を出す。今しかない!やってやる!


「赤き炎よ、我ら人のため、顕現し、力を誇示せよ、、、点火(N・ファイ)!」



目の前で大爆発が起きた。

しかし今度の爆発はさっきのとはまるで違った。おじさんが出したものとは程遠かったが、それは魔法だった。

目の前で起こる大爆発を目に、綺麗だと思った。


「おっさん!出来たぞ!」


俺はおじさんの方を向いた。しかしその瞬間、めまいが激しくなり、そのまま倒れた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おいおい、今度は魔力切れ(スタン)かよ。ほんとに子供みたいなやつだな。」


「まあ仕方ないじゃろう。記憶的には子供みたいなもんじゃ。」


「しかしこやつはなんなんじゃ?じいさんの助言だけでここまで変わるわけがないじゃろう。」


「元はただの学者さんだよ。元はな。」


「隠したい理由でもあるのか?」


「いや何もないさ、ただ話す理由もないだろ。」


「ほんと、嫌な奴じゃな。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ーーーぐぅ、、、はっ!」


目を覚ますと老婆に膝枕されていた。猛烈なデジャヴを感じるとともに俺は叫んだ。


「ぎゃぁあーーー!!」

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