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追求のドンカイ  作者: 夕闇
第1章 「起」
6/10

見える者

怖い、そう思った。


「どうしてそう思ったのか一応聞いておこうじゃないか。」


「とても単純だよ、お前さんの瞳に反射して言葉が見えたからね。今もそうだ、一言一句そのまま見えてるね。」


「化物かよ、、、」


「化物とは心外だなぁ、ちょっと目がいいだけだよ。」


目がいいとかで見えるレベルじゃねえぞ、ここは明かりもほとんどなく、かといって光ってるものが目立つほどの明るさでもない部屋だ。条件としてみれば最も見えにくいはずなのに。というか俺の目に反射した言葉は見えるのか。再確認しないといけないな、、、


「黙ってないで答えたらどうなんだ。見えているんだろ、言葉。」


「ああそうさ、俺には話した言葉が見える。おっさんはこの力についてなんか知ってんのか?」


「いや全く知らんが。」


へ?


「そもそも確証もなかったしな、お前が見えていることに。」


あ、確かにそうかもしれない、俺の目に言葉が映っていたとして俺にその言葉が見えるとも限らない。くそー、一本取られてしまった。


「でも見えてた、それがすべてだよ。その力について詳しく聞きたいけどいいか?」


「死んでも嫌だね。」


イライラした勢いでつい言ってしまった。


「そんなこと言ってもいいのかね~?お前さんがその情報くれないなら、手伝わんぞ、脱出。」


「くっそー、大人げねえ、恥ずかしくはないのか?」


「恥ずかしさなんて微塵もありませーん。いいから教えな。」


「くっ、俺もこの力はよくわからん。今朝、急に言葉が見えるようになったんだ。触れれば実体化して、物として扱える。そんだけだ。」


「いやいやもっと知ってることあるだろう、頼むから教えてくれよ~。」


俺はさっきなんのスイッチを押してしまったんだ、こんな気持ち悪くなるか?涙目で縋り付いてきて、、、

仕方ないさっさと話して終わらせよう。

俺はアドムで行った実験と結果、推測までをおじさんに話した。


「なるほど、それで檻を壊したのか。」


「ああ、だが勘違いしないでほしい、決して脱出のためでなく、実験してただけなんだ。」


「別に勘違いする要素もないが、つまり全力で振るってないんだな。」


「もちろんだ。」


「それはすげえことだな、全力で振らずに硬鋼石をひん曲げたってのか。」


「その硬鋼石ってのはなんだ?」


「その名の通り、めちゃくちゃ硬い鉱石のことだよ。その硬さは竜の一撃をも防ぐといわれている。」


「竜ってなんだ?」


「あーもう、面倒くせえ、モンスターの一種だ、それもかなり強い類のな。まったく記憶がない奴と話すのはこんなにも大変なのか。」


「すまなかったな記憶がなくて、、、」


「だからそうカリカリすんなって。」


「だから怒ってないって言ってんだろ。」


「いやその言葉聞いて誰が納得するってんだよ。まあ何でもいいさ。その前に一回実体化する証拠を見してくんないかな?」


俺は少しうなずいて、言葉を放つ。


「あ」


そしてそれを掴み、おじさんの目の前に突き出した。


「面白い。」


おじさんは前かがみになりながら文字を見つめていた。10分ぐらい眺めていたと思う。俺は手が疲れて下ろすと文字は消えてしまった。前から気づいていたがこの力は無限ではない。こんな風に時間がたつと消えるし、文字数が100文字を超えたあたりで最初の文字から消えてしまう。


「本当にこんな力が実在するなんてね。驚いたよ。」


「俺だって初めは驚いたさ。」


「いやお前さんはすべてが新情報だったろ、記憶もないし。」


「そうさ。ていうかずっと気になってんだが、どうしておっさんはそんな知ってんだ?記憶抜かれてないのか?」


「あーそうだな、結論から言うと、俺は罪人じゃないから、記憶もあるし世界のことは知ってる。」


は?記憶がある?どうして、、、急にぶち込まれた新情報で頭がパンクしそうだ。


「なんでだよ。罪人じゃないってどうして、」


「どうしてと言われてもな、俺はお前を助けに来た。だからここへと侵入してきた。最初に言っただろ、協力してやるって。」


「いや言ってねえよ。それに侵入って」


「え?そうだっけ、、、まあいいさ、お前さんを助けることに変わりはない。」


「一体何が目的なんだ、俺なんかを助けるためにここに侵入したのか?そんなことしてどうなるっていうんだよ。」


「私に得はない。」


「じゃあなんで、」


「大事なのは私がどうなるかでなくお前さんがどうなるかなのだよ。お前さんはお前さんのことを甘く見すぎてる。お前さんに価値はある。だから私はお前さんを助けてやる。それだけだ。」


訳が分からない。さっきから人生を始めるだの、俺のことを助けるだの、おじさんの行動原理が読めない。でも俺にはもう選択肢がない。俺は知ってしまった。探求への強い衝動を、喜びを、達成感を!そんな俺が取れる選択肢は1つ、


「世界に出てみたい、俺は知りたいことが多いんだ。協力してくれないか。」


「ああもちろん、そのつもりさ!」


俺はほほ笑んだ。


「ひとまず、お前さんには魔法を覚えてもらおう。そうじゃなきゃ生きていけないからな。」


「わかった。」


「よし、まずは魔法の基礎知識から教えてやろう。」


・・・またこれか、

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