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追求のドンカイ  作者: 夕闇
第1章 「起」
4/10

この世界

人生を始める?ここが終わりの場所なんだろ、、、訳の分からないまま俺は話を聞くことにした。


「とかっこいいことを言ったのは良いものの、君にはまずこの世界を知ってもらうことから始めないとな。」


それもそうだ。俺は今分からないことだらけだ。特に魔法という言葉がどうも気になる。


「まず始めに俺たちがいるここはファグニット監獄、世界で最も優しく気持ち悪い監獄だ。」


ん?首をかしげる。


「優しいってどういう意味だ?ここは最も厳しい監獄じゃないのか?」


「そりゃここの職員たちの出まかせだ。監獄っていうのは普通は死ぬまで閉じ込めておくための施設だ。

だがここは違う、懲役があり死ぬことはなく必ず出られる。しかし出たところで待っているのは周囲からの軽蔑、まず普通には生きられない。ここは受刑者をただいたぶるためだけの施設なんだよ。」


・・・理解が追い付かない。なぜそんなことができるのか、、、

俺は少し吐き気を覚える。しかし、意外にもすぐに冷静になれた。もしかしたらもともと知っていたことだったかもしれない。だから拒否反応が薄れたのだろうか、、、


「ここには冤罪の受刑者も多い。本当にクソみたいなところさ。」


「監獄についてはよく分かった。次は魔法について教えてくれないか?」


「まあまあそう焦るなって。・・・でも、そうだな、まあなぁ、いやでもなぁ、、、」


急にめんどくさくなったな、頼むから教えてくれよ、俺の探求欲が止まんないじゃないか。


「よし仕方がない、先に教えてやろう。魔法ってのはな、あらゆる事象を力を用いて引き起こすことだ。」


「あらゆる事象を、、、」


「そうだ人がそれを想像できればこの世界ではなんでもできる。」


そんなすごいものだったのか。それより「力」っていう言葉、また出てきた。あの拷問官も話していたな。


「おっさん!この世界における力って何なんだ。教えてくれ。」


「力か、、、簡単に言えばすべてのエネルギーなんだが、これをうまく伝えるには、まだお前さんに知識が足りんな。」


ちぇっ、なんだよそれ。俺は顔を膨らます。


「まあまあそんな怒った顔すんなよ、これから教えてやっからよ。」


「いや別に怒ってねえよ、仮にも教えてもらう立場だしな。」


「いやそうは見えねえけどな。」


おじさんはにこにこしながらこちらを見て笑っている。俺はなんだか気分が少し楽になった。


「じゃあ次がいよいよ本題だ。」


「いやその前にちょっといいか。」


「さっきからなんなんだよ。質問ばっかしてきて、とりあえず話を聞いてからにしてくれよぉ、、、」


おじさんは何ともいたたまれない表情をしていた。


「すまない。」


「それでは本題と行こう。」


おじさんの雰囲気が変わる。雰囲気につられ俺も引き締まる。


「この世界の生き方についてだ。」


・・・生き方?そんなもん存在すんのか?でも、それが人生を始めるとかに関係があるんだろうな。


「本当はこっちから話したかったんだがな。お前さんは少し探求心を抑えてくれ。」


思い当たる節しかなく、俺はしぶしぶうなずく。


「素直でよろしい。さっきはこの世界の生き方と、たいそれた言い方をしたがそんな難しい話じゃない。生きていくための絶対条件があるだけだ。」


絶対条件?


「それは、、、」


「それは?、、、」


「ズバリ魔法が使えることだ。」


「魔法が使える?」


「そうだこの世界はすべてが魔法で回っている。料理や洗濯一つとってもそうだ。料理なら風魔法とか火の魔法を使うし、洗濯なら水魔法、なんなら土魔法で機械を作ってやる奴もいるな。」


「それはおかしい。世の中には道具があるはずだ。別に使えなくたって生きていけるはずだ。」


「それがだめなんだなあ。」


「なぜだ!」


「だから質問の前に俺の話を聞いてくれって。そんな目を輝かせてもだめだ、落ち着いてくれ。」


俺は冷静になる。


「すまない、、、」


さっきからどうしても知りたいという欲を抑えられない。いったいどうしたというのか、、、


「はあ、、、まあ大丈夫さ。理由を話すにはちょっと歴史を勉強する必要がある。まずは魔法の誕生からだな。覚悟して聞けよ。」




          魔法の誕生   語り手 おっさん


3世紀ほど前、初めて魔法が生まれた。開発したのはマザー・マークだ。彼女は人類に夢を見させた。その後わずか半世紀ほどで魔法は誰もが扱える便利なものとなった。しかし、魔法の普及により道具を買う人が極端に減り、今から2世紀前、人類は最後で最大の超デフレーションが起こったんだ。大企業は物が売れずどんどん倒産していった。このデフレで世界中の4分の3の企業がつぶれたという話がある。さらには、世界中で争いが生まれた。企業がつぶれたことにより経済が苦しくなったんだ。この争いは約100年続くこととなる。戦争の武器は主に魔法が用いられた。被害はうなぎのぼりで上がっていき、世界の人口は半分以下になった。戦争が続く中、世界はどんどん貧しくなった。そして終着の時が訪れる。それはある1匹の()()()()()の出現によって引き起こされた。

次に続きます。

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― 新着の感想 ―
めっちゃワクワクする展開、すごい好き。そしておっさん知りすぎててチュートリみたいに思えてきたわ。今後も期待
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