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紅闇のその断言は翔太にとってそれなりの衝撃を与えた。
すべて翔太自体わかっていたことだったかも知れない。
…先ほど部屋に戻り、気持ちを切り替える為に言い聞かせた内容も含まれている。
それでも人だと思っている天音が神である紅闇に人ではない別の者だと断言されるのは堪えた。
そう、堪えたのだが自分が何に堪えたのかがわからなかった。
「今はまだお互いにそこまで感じないだろうが、今後君たちは差に恐怖感を覚えるかも知れない。
翔太だけではない、天音も気づけば恐怖心を持たないとは限らない…そうなってからでは遅いと思う。
翔太は天音と接する時、彼女は私と同じだと思って接しなさい。
天音には機を見て私から伝えよう。
…君たちが無事に与えられた贖罪を終えて欲しいと…私も思うのでね。」
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何とも言えない空気間の中、紅闇にこの後は自由時間にしようと提案され、本を読むなり、読んだ内容で今知りたいことがあれば答えるが…と言われたので、少し疲れたので自室で本を読みたいと伝えれば夕食の準備ができたら連絡をするので、無理をしないようにと言われ彼は席を立つ。
翔太は昼食前に読んでいた本を手に取り、部屋へ上がる。
紅闇はどれだけ翔太の不安…や天音への恐怖心を理解しているのだろう…
紅闇に指摘されることで、自分で考えていた理由だけでなく、天音を人ではない何かのように感じていた自分に気づいてしまった。
価値観が異なると言うのは生きていればよくあることで、同じ国に産まれて同年代であっても出身地や性別、職業などによって全く違うことなんて本当にざらで…。
とはいえ、ここまでの差を感じたことはなく…
同じ生き物、人が考える内容と思うと天音を異質だと考えてしまっていたのが…
その異質とは…
人ではなく、神よりも自分に近い分化け物とうっすら感じてしまっていた自分が居て、それを見ない為に彼女は人間だと言い聞かせて、その思いに蓋をして飲み込もうとしていた事に気づいてしまった。
そしてふと混ざり者を嫌う天界の者の話を思い出し、同じような感覚なのかもと想いを馳せる。
まあ、馳せたところで答えなんか出ないのだが…
気づいたのが今で良かったと…
ああ、もしかしたら翔太が集中している間に紅闇が気を利かせて翔太が自分を立て直す時間が取れるように…
天音と顔を会わせないで済むように少し距離を離してくれたのかも知れないと自分の中のどうしようもない気持ちに向き合いながら彼に感謝もする。
「本当にどうしようもないな」
ベッドに腰を下ろし、翔太はため息をつく。
こういう場合、どうすればいいのか。
紅闇の言う通り、天音を人だと思わず紅闇たちと同列だと思えばいいのだろう。
だがそれにしては、元々面識がなくても彼女が映った映像や雑誌に歌う姿に慣れ親しみ過ぎていて、人ではないと認識するのがとても難しい。
「慣れるしかないんだろうな…」
そう呟き、ベッドに横になり本に意識を移す。
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ふと目を覚ますと部屋が真っ暗になっていた。
本を読みながら眠っていたらしい。
「今日も夢に出て来なかったな。」
鳥の主神も翔太の気疲れに気づいて気を使ってくれたのかな…と身に纏っているらしい、鳥の主神の守りにそんな効果もあるのかも知れないと独り言ちる。
ベッドサイドの明かりを点け、少しぼんやりするが今何時か確認しようと窓に歩いて行く。
半開きになっていたビロードの臙脂のカーテンを開くと外はパレードでも始まりそうに輝いていて、天音が初日に見て綺麗だと言っていたことに納得した。
時計塔もイルミネーションなのだろうか?不思議な光が周りを舞い、時計盤も細かい細工まで光が瞬いては消え幻想的な光景を作っている。
「20:00か」
日が長いと感じていたが落ちると一瞬で暗くなるのかと思ったよりも遅い時間ではなかったことに驚き、この後どうするか考えたが頭がまだはっきりしないので、目を覚ましたいとそのまま風呂に向かう。
一度寝て疲れが取れたせいか天音に対しての恐怖心が薄れている気がする。
風呂を上がったら部屋から出て外に紅闇からの伝言がないかなどの確認をしに行き、天音が居たら夕飯や昼あの後どうだったか確認をしようと、ざっと身体を洗い風呂から上がる。
着替えも似た色見の物を選ぶせいか、気づけばクローゼットの中も似た色見の物が増え、形も動きやすいものが増えている。
蛇の一族の細工も凄かったが、狐の物作りにかける情熱も半端ないのではないかと思う。
…あの後千歳と天音が何を厨房に説明したのか…
今日の夕飯に反映されているのか、それとも明日以降に出てくるのか…
そこに想いを馳せられるだけ自分の精神が復活して来た事に安堵して思わず笑う。
「いや、あんな膳が出てくれば誰だってそう思うだろ」
そう言って笑いが混じったまま息を吐き、ざっと頭をタオルで拭きながら部屋の外に向かう。




