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「ああ、種族の身体的特徴や色味とか、あとは種族での職業バランスの違いがあったり、好むものや国ごとで文化が異なるのとかもちょっと書かれてる。
国ごとで文化が異なることや職業バランスの違いはそっちの棚に置いてもらった天界とかも含む地の球の構成の本とかのが詳しく書いてあると思う」
「どうして翔太はそんなことを勉強しているのじゃ?人には必要ないのではないのかえ?」
心底不思議そうに翔太を見上げて千歳が聞いてくる。
確かに普通に生きていれば関係ないだろうが
「これから駐屯場や甘味処とかいろいろ移動するといろんな者たちと会うだろう?
何も知らなくて失礼をすれば血の気の多い者や人が嫌いな者だと攻撃されることもあるんじゃないかと思って。
それならそういう問題を起こさないように知っておこうと思ったんだよ」
翔太の言葉に目をよりまんまるくして「そうかえ。人でも必要な知識なのかえ」と呟いている。
天音と視線が合うと彼女は笑って
「千歳ちゃん、私も学ばないといけないので一緒にお勉強しませんか?
神子さんはずっと中津国に居たから天界のことをあまり知らないんですね。
だから、本を一緒に読んだり、千歳ちゃんが知ってる狐さんの国の事教えてくれませんか?」
翔太に向いていた視線を天音に向け、何やら小さく口の中で言葉にせずにいると思ったら、翔太の足の上に立ち
「するのじゃ。一緒に学ぼうぞ!妾の本も持ってくるのじゃ!」
そう宣言すると千歳は翔太の上から飛び降り2階の自室に向かって駆けていく。
「千歳ちゃんはやっぱり素直で可愛いですね」
菓子を口にしながら、天音がだらしない顔で千歳の可愛さについて語り出した。
かわいいものが好きだとは聞いたが正直ここまでとは思っていなかったので、若干引いている自分がいる。
そんな翔太に気づいたのか、頬を膨らまし「そういう態度よくないです。」と文句を言う。
軽く謝罪し、茶のお代わりを淹れようと立ち上がり、一度上に戻ろうかと思えば紅闇が何やら大きな箱を抱えて戻ってきた。
「あれ?翔太どこに行くの?」
「ああ、お茶を淹れようと思って」
「そこの茶箪笥の上から2段目の右の引き出しに翔太がよく飲む茶が入っているよ」
翔太が驚いていると、「言わなかったっけ?」と箱を棚の傍の小さなテーブルの上に置き、「それよりもう昼にしよう。千歳は」と聞いてくる。
千歳について話す前に本人が大量の本を持って階段を飛ぶように降りて来た。
そして飛び跳ねるようにしてソファーまで戻ってくる。
「あ、兄様!天音たちといっぱい学ぶのじゃよ。
みんなで勉強をしたり千歳が先生になったりするのじゃ。」
そんな千歳に驚く紅闇に千歳はふふんと言いたげな表情をしている。
そして翔太と天音を見下ろし、納得して千歳の頭を撫でている。
「それはすごくいい事だね。でもその前に食事にしよう。
あと、翔太は道具が届いたから食後休憩したら先に力を流す練習をしよう。
天音は寝れるなら少し食後休みなさい。
千歳は、食後休憩したらどれから翔太たちに説明するのがいいか一緒に考えよう。千歳は狐の国のことはよく知っていてもここの事はあまり知らないから、兄の言葉も聞いて考えておくれ」
紅闇の言葉に添うようにテーブルの傍に昼餉が入っているだろうワゴンが現れる。
「千歳と天音が沢山話してくれたから、今日の昼は何になったかな?」
勉強する気になったのに、翔太も天音も先にやることを示され少し不満げにしていた千歳は紅闇の最後の言葉に不満を忘れたかのようにテーブルに駆け出していく。
「ありがとう」
紅闇が口パクで翔太と天音を見やり伝えてくるので、また天音に視線を向けると天音が翔太を指さしている。
なんだかおかしくなって笑いながら3人でテーブルに向かう
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「天音!すごいのじゃ!
本当に椀に池ができておるのじゃ!」
昼の膳は紅闇ですら驚きを隠せず、その後小刻みに震えて千歳に笑っているのが分からないように笑っているぐらい凄かった。
そう。どこからどう見てもSNS映えしかない庭園を模写したような膳が目の前にある。
「これもうジオラマだね」
「ですね。狐さんの厨房の本気を甘く見てました」
千歳は椀の中に何が居るのか真剣にのぞき込んでいる。
椀だけではなく、この東屋は何で出来ているのだろうか?
これがまだ菓子ならわかるのだが、食事でこの景色を作ったということはこちらの独特な食材によってできているのだろうか?
「2人とも大丈夫だよ。ここでは人の、中津国で食べられているもので食事を作っているから、とんでもないものは入っていない。
だが、中津国の食材でよくここまで作った物だ」
紅闇はせっかく止まった笑いがまた戻って来そうになっている。
少し、いやかなり崩すのがもったいないと思いながら箸を入れていく。
「あ、すごくおいしい。」
「本当だ。普通に本当に美味しい。」
SNS映えする料理が美味しくないことがあるあるな世界線で生きてきていると、芸術の域まで見た目を作り込まれた食事が美味しくないことなどよくあることでしかないが、さすが神の料理。
そうだ。神が作ってるんだから美味しくて普通なのかもしれない。
こういうことがある度に人の世と神の世の差を感じるのかもしれない。
見た目から全く予想ができない食事の感想を言いながら和やかに食事の時間は過ぎていく。




