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「え?」



驚き目を見開く翔太に天音が「彼が教えてくれたんです。」

そう言って説明してくれる。



「力が強い物、さっきの風呂敷とかだと詩などは込めやすいのでほんの少し、そうワンフレーズ程度の詩なら力をほとんど使わないからこの空間に影響しないで、氷河さんが使っていた式のような使い方ができるって」



そんなことができるというか、いきなりぶっつけでそれができてしまう天音に翔太は驚きを隠せない。


蛇の主神の神子だからって紅闇たちは言ってたが天音自体の潜在能力が高い…というがそれだけではなく



「そっか、天音ちゃんはずっと神子くんと一緒に居たんだもんね」



不思議そうに翔太を見る天音が「そうですね。子どもの頃から居ますね」と答えるが、そうではないと首を振り。



「いやそうじゃなくて、僕に千歳さんが憑いてたり、蛇の主神に取り込まれてたことで影響が出ているって話だったけど、天音ちゃんはずっと前の時から神子君と一緒だった訳だから、ものすごい影響を受けていてもおかしくないんだねって今気づいただけ」



今度は天音がその言葉に驚いたようで、目を皿のように見開いている。



「だから神子君の力に耐性も強いし、いろいろ他にも何か影響ってありそうね」



天音は気づいてなかったようで、少し呆然としてしまった。

そんな2人に狐火のような物体がゆらゆらと寄ってくる。

思わず身構えると翔太たちの傍で止まり紅闇の声で



「天音、連絡ありがとう。2人ともゆっくり戻っておいで」



と言葉を発したかと思うと、ふわっと揺れ細かい光になり消えてしまった。



「いまのが紅闇さんの式ですかね…?」


「そうかもね。ゆっくりでいいって言ってるけど、戻ろうか」



そうですね。と天音が頷くのを確認して橋を渡り庭を離れに向かって歩いて行く。


途中、先ほど鳥の主神から貰った梟が居た場所を通ったが姿が見えなかった。

あの梟はいつもどこにいるのだろう?と気にはなるが今でなくてもいいかと先を急ぐ。




---





離れが見えてくると千歳がしっぽを揺らしながら縁側に立っているのが見える。



「狐ってさ。猫や犬としっぽの動かし方が違うはずだけど、あれはどういう意味だと思う?」


「ん-そうですね。そわそわですかね?それとも置いて行った!かな…あ、でも早く早くな気もしなくもないですね…


どれでもかわいいですけど。」



天音は千歳を見て「本当に千歳ちゃんはかわいいです」と頬を緩ませている。



「多分翔太さんを待っててそわそわしてるんですよ」と天音が言いきる前に「天音!!」と千歳の叫ぶ声が聞こえた。



驚き千歳の方を振り向き小首を傾げ天音に、さらに大きな声で



「今日は天音が言っておったお子さまランチ朝餉版なのじゃ!

早く早く来るのじゃ!!」



その言葉に思わず翔太は吹き出し「お子さまランチな朝餉ってなんだろ」と言えば、「昨日、厨房でお話ししましたけど昨日の今日で出て来るんですねー」と驚いている。


そんな和やかな空気のまま2人は足を速め、千歳が飛び跳ねて待っている縁側へと歩を進めた。



「ああ、2人ともおはよう。

今日はなんだか朝からすごいみたいだよ。千歳が興奮している」



そう笑いながら紅闇は翔太たちが縁側に着くと朝餉が用意されたテーブルへあっという間に走って行き既に席に着いている千歳へと視線を向ける。


2人も紅闇に朝の挨拶をしながら、席に着く。



テーブルには盆に小鉢と見た目は和風なのに子どもが喜びそうなポテトフライやソーセージに狐の絵がケチャップで書かれたオムライスにスープや果物が並んでいる。



「ケチャップ絵のクオリティ高っ!」



オムライスが入っていた椀の蓋を開け、思わず口から出てしまった。



紅闇はおかしそうに笑って「こういうのうちの者はすごく好きなんだよね。」といい、千歳は満面の笑みで頷きながら食べている。



「わーじゃあ、キャラ弁とかもすごいの出てきそうですね。

あ、ラテアートとかゼリーやパフェアートも得意そう。


…しかもすごくおいしい」



「キャラ弁?らてあーと?」



千歳は興味津々で思い切りオムライスを頬張った天音に視線を向けている。


2人がキャラ弁などの話をしている間に紅闇に気になった鳥の主神から貰った梟について聞いてしまう。



「紅闇さん、さっき中庭に鳥の主神から頂いた梟が居たんですが、あの梟はあのままでいいのでしょうか?」


「ん?」という感じで小首を傾げ、ああと言うと


「あの梟はそうだね。今日から駐屯場に行く時に連れて行こうか。

2階にはあの子は入れないから、一緒に出掛ける時に声を掛ければいい。


ああ、名前を付けたかい?

ちゃんと付けて上げないとああいう子は力を振るえないから付けて上げて」



そういうものなのかと思っていれば、紅闇から質問をされる。



「天音と話して今日駐屯場に行く前に確認したいことはできた?」



その言葉に翔太は鞄からメモを取り出す。



「ああ、紙に纏めたんだね。そのまま見てもいいかい?」



そう問う紅闇に「日本語ですけど大丈夫ですか?」と返せば、「中津国の今ある国の言葉は大体大丈夫だよ」というマルチバイリンガルもびっくりの言葉が返ってくる。


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