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風呂と着替えを終わらせて外を確認すればまだ明るく、時間もあと30分近くある。


翔太はベッドの傍にあった机からメモ帳を取り、今日紅闇から聞いた情報をまとめていく。正直情報があり過ぎてどこから話すのがいいのか迷う。


まず何にしても人も人で無くなってしまった人たちについてを共有して、自分たちの常識や感覚で物事を考えるととんでもない事故に繋がる可能性について話すのがいいだろう。


あとは倒れている間に見た夢の話と紅闇から聞いた話に…

そういえば、朝言ってた話だと天音ちゃんは2000年の5月前後産まれってことだけど、その話をしたのかも聞いてみよう。


そう頭を整理して共有事項を書き出していると時間があっという間に過ぎていた。


アラームがないとつらいなと文明の機器にどれだけ依存していたのかこういう時によくわかる。そんなことを思いながらさっとメモをまとめて席を立ち、部屋から出る。



天音がまだ居ないことに安堵し、茶箪笥の傍に来ていたワゴンをテーブルの傍に運んで、茶を淹れていると天音が出て来た。



「翔太さんは5分前行動じゃなくて10分前行動の人ですか?」



そう聞かれ思わず苦笑してしまう。



「そうだね。癖で少し余裕を持とうとするところはあるかもしれない」



そんな会話をしながら隣に来た天音が「ここまで飲んだから次はこれかな」と、自分の分の茶を選んでいる。



「紙にざっくりだけどまとめたから目を通して貰って、それから話そうか?食事はしながら話す?」


「翔太さんはおなか空いてますか?私はまだちょっとあれなので空いてたら話しながら先に食べてもらってて、私はもうちょっと経ってから食べようかなって…」



そう話す天音の手にはお茶と少なくはない焼き菓子を乗せた皿で埋まっている。



思わず吹き出しそうになりながらも堪え、「じゃあ、食事は食べたくなったら適当に取るってことで進めようか」と言えば、頷いている。



席に着き、天音の前にメモを置くと「結構いっぱいあるんですね」と言いながら、お茶のお供の読み物ぐらいの温度感で目を通していく。


そんな天音を待つ間、自分も天音に渡したメモ以外に記載しておいた方が良い事や整理しておいた方がいいことを書き出していく。



どれくらい経っただろう。

それなりにメモ帳が埋まった頃、天音が声を上げた。



「翔太さん、ごめんなさい。

このメモを読んで彼がいま感情の整理が難しいみたいで、私も影響されていて怖いので一度彼とゆっくり話して頭を整理して…。


…明日の朝、情報共有してもいいですか?」



「え、ああ、大丈夫だけど、君たちは大丈夫なの?紅闇に声を掛ける?」



「多分大丈夫だと思います。

彼も蛇の主神様がそんなに自分のことを想って、こんなに動かれたと想像もしていなくて気持ちが追い付かないから、少し時間が欲しいと言っているので…


もしダメだったらドアを思い切り叩いて助けを求めるので助けてください」



そう口調はふざけているが力なく笑った天音に心配が増す。



「あ、夜ごはんは各自部屋でということで!半分貰っていきますね!」



その言葉にシリアスに入っていた翔太は思わず吹き出す。


そのまま肩を震わせる翔太に天音は「大変な時ほどおなかは空くんですよ!」と言い、少し彼女も笑いながら「貰っていきますね」とワゴンから盆を取り出そうとしているので、「部屋の傍までワゴンを運ぶよ」と声を掛ける。



「翔太さんて見かけによらず本当に笑い上戸ですよね」



少し怒ったように天音が言う。



「笑い上戸に見た目は関係なくない?」



そう言えば、天音に「”きりっ!大人です!”って感じで出て来たのに昨日から笑い過ぎですよ。本当に。女の子は怒りますよ。そんなに笑ったら」とダメ出しされたのがおかしくてまた笑いそうになったら、キッと擬音が付きそうな目で見られたので我慢する。



そんなやり取りをしてワゴンをお互いの部屋の間に持っていくと天音が部屋の扉を開けて開けっ放しにするよう何か挟むものを探しに行こうとするので、膳を取って天音に渡す。



「ありがとうございます。」



「うん。じゃあまた明日」



そう言って、翔太もテーブルに置いたメモなどを纏め、飲みかけの茶を一気に飲み干し、返却口に置くとワゴンから膳を取って部屋に戻る。




---




テーブルに膳を置き、食事より先に書き出したメモを見直して行く。


天音に渡したメモには祭事は地球の維持のために行われているので神々にとって人の死は仕方がないことという認識や、蛇の主神は神子が狩られて激怒していろんな火種をまき散らすように扇動して、フランス革命辺りからの世界中で起こった様々な出来事に関連するような芸事を行ったこと。


また、日本に辿り着き千歳の綴りを使って、より火種を悪化させたが復讐したかった天音も神子を狩った人も既に死んでいて、復讐が果たせなくてどうしようもない状態になり祭事で起こした内容を放置した為、神々が異変に気付き降りて来た頃にはもう止めようがない状態になっていてフランス革命から今にも続く惨事になっていたこと。


そして千歳の綴りを使ったことで惨事を起こした犯人は千歳だと思われていたことや贄の選ばれ方や現在も混沌と穢れが増え続けて、その穢れの一掃を今回の祭事で行う予定でその一掃にはフランス革命時代から今の間に穢れをまき散らした人が使われる話が主だったが…



「明日穢れの概念についても説明ちゃんと入れた方がいいよな」



そう整理しながら明日話す時に抜け漏れがないか、もう一度確認していく。


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