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気づけば翔太はまた夢で見た不思議な子どもたちが居た空間に来ていた。
寝た記憶がないのに何故と思うもそんな翔太にお構いなしに子どもたちは話を進めていく。
「「そなたか。
そなたか。
夜じゃないのに現れた。
夜じゃないのに現れた。
案内しよう。
説明しよう。
我が
我らが
言葉を綴ろう。
物語を語ろう。
さあさあ
続きを
続きを
綴ろうか。
これはこれは、
芸事の優劣を、
人を使いて競い合う、
神々が御坐す世界の話。
理は人と神々で異なり、異なる。
人々も人々で異なり、異なるように、
神々も神々で理は異なり、異なる。
そんな世界で神々が
数百年ぶりに競技をしようとしていたら、
日出づる国のどこか力ある者が
子の病気を治す薬にするために
蛇神様の唯一の神子を
狩って子に喰らわせてしまった
大変。大変。
蛇神様の唯一の神子が
人に、人に
狩られてしまった。
大変。大変。
蛇神様の唯一の神子が
人に、人に
喰われてしまった。
あまりの、あまりの出来事で、
それは、それは蛇神様の
怒りは、怒りは果てしなかった。
蛇の一族、怒り狂い
蛇の一族、泣き叫ぶ
はてさて怒った蛇神様
はてさて困った蛇神様
悩み悩んだ蛇神様、
祭の演目を変えてしまう。
蛇神様が狙うは日出づる国。
蛇神様の狙いは日出づる国。
さてはてこれはどうなるか?
はてさてこれはどうなるか?
我が
我らが
言葉を綴ろう。
物語を語ろう。
続きを、続きを綴ろうか。
蛇神様が御坐すは
華咲き乱れる芸術の国
美しき、美しき都 仏蘭西 仏蘭西
芸術を愛する蛇の一族
かの都の美しさに敬意を払う
蛇の一族が愛する芸術の都
残念、残念
火種を煽る
残念、残念
無様な貴族
大変、大変
市民が暴動
毎日、毎日
ギロチン、ギロチン。
火種は火種は止まらない
蛇神様が御坐すは
華咲き乱れる芸術の国
美しき、美しき都 仏蘭西 仏蘭西
残念、残念
火種は燃ゆる
残念、残念
王族も消えゆ
大変、大変
街が燃ゆる
毎日、毎日
叫び声に歓声上がる
居場所を奪われし人々は
海を渡りて逃げ延びて
欧羅巴中に火種を落とし
世界を世界を巻き込んでいく。
はてさて大変
はてさて大変。
炎は、炎は
世界に広がって行く。
蛇神様が狙うは日出づる国。
蛇神様の狙いは日出づる国。
さてはてこれはどうなるか?
はてさてこれはどうなるか?
此度は、此度は
ここまでで
刻が、刻が
やってきた。
それでは
それでは
またの夜に。
」」
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またしても唐突に終わった夢に少しぼんやりして目を開けると、モノクルをした濃い葡萄の髪に髪より青味の強い色をした瞳の中年男性が目の前に居て、翔太は驚き飛び上がりそうになる。
「ああ、目が覚めたかい。一気に力に当てられて酔ったみたいだね。
身体には異常が出ていないから、もう少し休めば普通に動けるようになるだろう。
水分は取れそうかい?
そこにあるのは力で酔った時に鎮めるものだから少しでも口にしておくといい」
驚きながらも、後ろに先ほどの狼の一族の者の姿があり、彼が頷くのを見て身体を起こしベッドサイドにあるテーブルの上にあるカップを手に取り飲み物を口に含む。
ミントが入った冷えた水のようで飲むと少し意識がはっきりしてくる。
「紅闇を呼んでくる。君はまだベッドの上に居るように。
あと30分は安静にしておいた方がいい。横になれるなら横になっているように。」
そう言い残すと狼の一族の者と濃い葡萄色の髪の男性は部屋を出ていく。
あの後、寝てしまったのかと寝てしまう前のことに思い出そうとしたが、見た夢に意識が奪われていく。
…あの内容だとフランス革命やその後のヨーロッパ中で起きた事柄がまるで蛇の主神や一族が絡んで起きたように見えたが、祭事の…いや芸事の力とはそんなに大きいのかと、そう考えただけで胃酸が逆流し喉に込み上げてくる。
思わず手に持っていたカップの飲み物を口に流し込む。
感覚が麻痺して来ていたが、紅闇も千歳もここに居るすべての者は神に近い存在で、神じゃなければ妖とか物の怪という類のものだと何度も話されているのに、実際に目にした者たちが穏やかだからか実感があるようでないのだと改めて気づく。
あの映像にあったことが行われていたのであれば、昨日話していた千歳が書いた物語を紅闇が詠えば問題になる話も本当にとんでもないことが起きると思っていないと危ないし、それ以前に渋谷や世界中の街から多くの人を攫ってきているのだから、何が起こったって不思議じゃないと認識を改めないと、この先持たないのではないかと…
自分がいかに争いがない国で平和に生きて来たのかと…
聞いて理解したつもりでも現状認識の差があまりに違う可能性に冷や汗が出てくる。
途方もない壮絶な話に一度すべてを投げて翔太はもう一度ベッドに横になる。
どうせならこのまま目を閉じて次に開けたら自分の部屋のベッドに戻れていたらどれだけ幸せだろうと。
願っても叶いはしないだろうことに願いを馳せて目を瞑る。




