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どんな菓子や食べ物があるか千歳が天音に講義をしながら残りの時間は穏やかに進み、食事が終わると嬉しそうに天音の手を引きすぐに厨房へ向かっていった。



「すまないね。まだ本当に子どもなんだ。

力が強い分、本来であればもっと教育に力を入れなくてはならなかったんだけど、母上と上の姉が千歳の顔立ちが狐の一族には珍しいまんまるの目をしているから気に入ってしまって、人形のように扱ってね。


甘やかして可愛がっただけならまだしも、外との接点もない状態の奥…


まあ箱庭みたいな所からそのまま翔太朗を気に入ったと飛び出してしまったもので、気づいて連れ戻そうとした時には祭事でどこもかしこも慌ただしくて。


その上、蛇の主神が動いたことであの子の気配も遮断されてしまって見つかった時には生きているのが不思議なくらいの損傷で翔太朗の亡骸を抱いて泣いている状態だったらしい。


母上は千歳を連れ帰ろうとしたんだけど、君に憑いていくと聞かずそのまま行ってしまったもので全然教育ができていないんだ。」



そう語る紅闇はやや疲れを滲ませている。

そしてため息をつくとその先を続けた。



「多分、君たちの国の同じくらいの見た目の子の方が教育されてると思ってくれていいよ」


「あの、そもそもなんですが何故千歳さんはその翔太朗の元に行ったんですか?」


「ああ、番を見つけた。と言って出て行ったらしいよ」



紅闇の言葉に思わず頬が攣る。



「番…ですか…?」


「うん。そうみたい。ああ、そう言われても困るよね。人外だし幼女だし」



あっけらかんという紅闇に少し冷静になる。



「なんだろう。とりあえずいま千歳はまだ前回の事を引きづっていて不安定だから、今の時点では番を否定することはしないでくれると嬉しいかな。


子どものままごとの延長で、近しい親族の優しい目上の者にお嫁さんになりたいと言うのと同じぐらいのものだと思っていて軽く扱ってくれていいと思う。


ただ、円座、鳥の主神たちと会った所で千歳は黒い炎を出していたと聞いた。



…それは落神になる前兆だから、厄介でね。」



視線を手元に寄せ少し考えるように口を閉じ、息を着いて視線を翔太に戻し彼は続ける。



「千歳は狐の次期と認識される程度に力が強い。

しかも落ちてしまうと理性が壊れる分、より力が強くなるのでいまのまだ幼い力が成熟していない千歳であっても、そうなってしまえば主神である母上でも下手すると敵わなくなる可能性があってね。


落ちた場合、危険性も考えて即処分という扱いになって狐だけでなく色んな国を巻き込んで討伐ということになってしまうのでできる限り、その未来は避けたいと思っている。


だからできるだけ刺激をしない方向でまず先に今回の事件を終わらせたい。


翔太には申し訳ないけど鳥の主神からの提案もできるだけギリギリまで返答をしないでくれるととてもありがたい。

両方対応するのは大変だし、犠牲がどの程度出るかもわからないからね。


あと、もし主神の提案で出た縁切りをする場合はこちらも体制を整えたいから、先に教えてもらってもいいかな?」



情報量が多く、また物騒な話に慣れたと思っても亡骸や落神という言葉に全然慣れられないと頭をそのまま抱えてしまう。


そんな翔太を見て笑い声をあげる紅闇。



「まあ、そうなるよね。子守りだと思って諦めて。


なんにしてもあの子が落ち着いた状態で人を中津国に還すっていうのが君たちの生存条件だと思うといい。


その上で番と言ってもあの子はまだまだ子どもだから、翔太を連れて行きたかったら勉強をして大人になったらという話にすれば、結構な期間の時間稼ぎにはなる。


多分、君の寿命が終わるくらいに迎えに行くとかになるだろうからそんなに重く考えないで、いまは目の前のことに集中してほしいかな。」



なんというか、質問したかった話に行く前にすべての活力を奪い取られた気分になったがこれで辞める訳にも行かず、翔太は項垂れながらも紅闇に昨日天音とまとめた気になったことを聞いていく



「あー、とりあえずわかりました。善処します。


えっとですね。話を変えて、昨日したかった質問で人で無くなった者は処分するしかないとお話しされていましたが、本当にその一択しかないのでしょうか?


あまりに楽しそうに過ごす姿に中津国に還すのがいいのかが昨日の街の様子を見ていると疑問に感じてしまって。


人で無くなってしまった場合は中津国、人の世界では問題でも、こちらであれば今と同じように行ける場所とかは限られても幸せに暮らせるのであれば残っても許されることはないのかと…」



そう聞く翔太に「ああ」と軽く頷き説明していく。



「そうだね。人数がもしもっと全然少なければそういう選択肢もあったかもしれない。

実際、祭事の時に中津国に行った者が向こうで人を気に入ってしまって連れ帰ることも少なくないからね。


今回問題なのは人の量なんだ。


理が異なる者が大量に交わると混じり者ではなく本当の化け物が生まれたり、界が割れる可能性もある。


そうなった場合、中津国と幽津国は確実に修復できないほどの損傷を受ける可能性が高くてね。


…下手すれば消滅することもあるし、あるべき元に還すしかないんだよね。残念だけど。


あとは…喰われてしまう者もいるし、できるだけ穏便に還せるだけ還したいと個人的にも思うよ」


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