表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/30

第25話 うさぎゾンビは旅立ちを語る

そしてしばらくしてから、3人は自衛隊駐屯地へ戻る。

大鳥が言う。


「晩飯は何にする?」

「私はパンにしようかな」

「缶詰パンも真空パックパンもあるぞ」

「うーん、真空パックかなー」

「俺は鶏めし」

「よし、待ってろ」


やがてテーブルにレーションやパンスープ、スクランブルエッグが並ぶ。


「課長、なにこの卵。すごい」

「粉末卵ってのがあってな」

「へえ、そんなのがあるんだ。あ、青汁飲む?」

「飲む。バナナもくれないか」

「私は早く焼きたてのお店のパンを食べたいなぁ」


やがて賑やかな食事が終わり、各自自室に戻る。

自室で蔵五はリュックからウィルソンを取り出す。そして話しかける。


「なあ、お前とは長い付き合いになったな。お前がいなかったら正直さ、俺は心が持たなかった。出会えてよかったよウィルソン。エンディングが来たらお別れなのかな?寂しいよ。じゃあ、おやすみ」




その頃、モールにて。

うさぎゾンビがモール内に入る。夜のモール内はゾンビがウロウロとしていた。

やがて館内の見回りをしていた少年ゾンビと鉢合わせる。


「有紀くん、ただいまー」

「お姉ちゃん、おかえり。お金は持ってきた?」

「ごめん、忘れてた」

「早くしてよ。利子を付けるからね」

「はい、すいません」


2人でソファに座る。


「で、例のババアには会えた?」

「楠本さんは会えなかったけど、村田さんは会えたよ。そして、佐藤って名前をつけてもらった」

「ええ?僕たちの名字は強力でしょ」

「まあそうなんだけど。私はなんていうか、お姉ちゃんでもあり、お姉ちゃんじゃないというか」

「ウサギだし、男の人だし」

「そんな感じ」


2人で笑う。


「で、殺さなかった?」

「うん。目隠ししてたから。有紀くんのお陰だよ」

「良かった。あ、そうだ。お昼の間にいいアイデアが湧いてきてさ。これ」


少年ゾンビがメガネケースを取り出す。


「開けてみて」

「うん」


中にはサングラスとメガネストッパーが入っていた。


「監視カメラで人間を見ても殺意がわかなかったんだ。だから、サングラスをかけたら何とかなるかもしれないでしょ」

「すごいね。有紀くんは賢いね」

「えへへ。ちなみに一式で3万円。礼服が15万円だったから、合計18万円だね」

「…」

「税込みになります」


うさぎゾンビが向こうを向きながら言う。


「さ、さて。お姉ちゃんは旅に出ようと思います」

「旅?」

「そう。自分探しの旅」

「僕も連れて行ってよ」

「だめ」

「なんで?」

「有紀くんの頭を食べたくなるから」

「ふーん。まあ、それでもいいけど。ひとりぼっちよりもマシだもん」

「駄目。それじゃ、私が一人ぼっちになるじゃない。なら、お父さんとお母さんを呼び戻す方法も探してくるよ。これでどう?」

「分かった。待ってる」


うさぎゾンビが立ち上がる。


「じゃあ、明日の朝にでも出発するよ」

「車とかバイクとか、鍵が付きっぱなしの乗り物があるんじゃないかな。つかったら?」

「お金取るの?」

「お客さんの忘れ物なら売り物じゃないし、無料でいいよ」

「分かった。じゃあ、ちょっと散歩してくるね」

「いってらっしゃい」


ウサギゾンビは外に出る。

ぼんやりと宙を見る。空には満月が浮かんでいる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ