衣替えしましょう! vol1
手が悴んできました。この時期のタイピングは中々きついものがあります…
「ご主人様、お願いがあります」
「お、おう…急にどうした?」
珍しいな。フェイが自ら何かしらの意見を述べてくるなんて。この子、引っ込み思案すぎる傾向があり、基本的に自発的発言はあんまりしないんだよな。
「えっとですね…メイド服のバリエーションを増やしましょう!」
「と言うと?」
「流石にこの季節、この格好には無理があるという意見がでました」
「あ、そういえばそうか」
現在11月、世間的にもこの屋敷的にも十分冬と言っていい時期である。僕らは何事もなく衣替えを終えられたのだが、メイドたちはそうもいかないらしい。僕としてはもう別に服を強制しなくもいいと思ってるんだが、そこは本人たちにも譲れない部分があるそうな。そう言うわけで、この寒さに対抗できるような制服もといメイド服を作ってしまおうという案が出たそうな。
「この屋敷を持った時は頭から抜け落ちてたなぁ…」
「そんな訳で、私がご主人様のメイド服製作に同行することになったのです」
「製作って言っても…街のオーダーメイドを受け付けてくれる店に話を持ちかけるだけだぞ?そんな大した作業じゃ…」
「実は、皆さんからメイド服の案をもらってまして」
「なるほどね」
つまり、できる限り理想のメイド服もとい制服を作ろうという状況なわけだ。
「分かった。じゃあ行こうか」
「はい!」
心なしか、フェイもいつもより笑顔が多い気がするな。やっぱりこう言うことはちょっとテンションが上がるものなのか?僕は男おまけにこの服を着るわけじゃないので残念ながらその気分の高揚は体験できないが。
「(これはご主人様との実質デート‼︎)」
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「あれ、カイトさん。お久しぶりです」
「お久しぶりです」
「あ、よく考えれば一度お会いしてるんですよね」
「そうだね。いや前回は本当に無理を言ってしまって…」
何せ、元々メイドを雇うことになるとは思ってなかったわけで。この店の常識を遥かに上回る短期間製造を余儀なくしてしまった。その点に関しては本当に申し訳ない…
「お陰で、『すぐ必要な場合でも大丈夫なお店』という評判が広まりましてね、客足は順調です」
「あんまりにも無茶振りは断ってくださいね?」
「もちろん」
同じ経営者(?)だから分かるけど、店の強みというのは時に自分自身を蝕み始める。この場合だと、評判を鵜呑みにした客があまりにも現実的ではない期間の依頼を出した挙句、間に合わなかった時にクレームを入れる。そんな事態にならないように気をつけてもらいたい。
「それで、今回はどんな依頼で?」
「今回もメイド服なんですけど…」
「…本当にメイド服好きですね」
「やめて!あくまで冬用のものを依頼しようとしているだけで、僕がメイド服趣味とかじゃないから!」
「でもご主人様、私のメイド服姿見るとなんだか嬉しそうですよ?」
「フェイ!あることないこと並べないでほしい」
「は、はぁ…つまり、冬用のメイド服を作りたいと?」
「もう少し早く理解してほしかったとは言わないでおこう」
本当に、メイド服趣味じゃないからね⁉︎
「それで、何か希望とかは…」
「こちらのメモに使用する予定の人たちの意見を書き出しておきました」
「ちょっと見せてください」
フェイからメモを受け取ったオーナーさんが目を通していく。
「えっと、内側に綿を使用して冬の寒さを耐えれるように。簡単に選択できるように。それと、ある程度の露出を…これはどういうことです?なんかコンセプトと違うこと言い出してる気がしますけど」
「それは僕も思った」
冬用の服なのに肌を見せるとか本末転倒じゃないか?
「えっと…ご主人様が喜ぶだろうという意見が多数出まして」
「ああ…なるほど」
「ちょっとメイドたちの中の僕のイメージの修正が必要だね」
まるで犯罪者じゃないか。
「じゃあ、この通りに作ってみますね。予算とかは?」
「取り敢えず無制限で」
「相変わらずとんでもない金銭感覚してますね」
「正直余ってるんですよね。お店の収入もあるし」
「あ、不労所得を手に入れたみたいな情報を聞きましたよ。やりましたね」
「ええ」
恒例企画。キャラクターたちの裏話‼︎
カ:やっぱり僕のイメージ現実とかけ離れてない?
フェ:いえ、至極真っ当な評価です
ア:兄さんは天然女たらしですからね。まあ、私もたらされた側の人間ですが
フェ:はい、全くもってその通りです
カ:僕はいつからモテ男になったんだろうか?
ア:それはまたちょっと…
フェ:違う気もしますけどね…




